欠勤とは、言葉通り「出勤を欠くこと」。つまり働くはずだった日に、仕事を休むことです。この欠勤の扱いについて、給料控除の仕組みなど意外と知らない大切なポイントが多くあります。

毎月固定給で支払っている社員に対して、欠勤控除をする際どのような計算方法があるのでしょうか。

また欠勤とその他の会社を休む日の違いについても、わかりやすく解説。欠勤に対してどのように対応していけばいいのかを紹介します。

欠勤とは

欠勤とは、単純に仕事を休むこと全般を指すわけではありません。仕事を休む日の名称は、有給休暇や公休、法定休暇など様々な名称があります。

それでは欠勤とはどのような状態で仕事を休んだ日を指すのでしょうか。

欠勤の定義

欠勤とは「出勤すると定められた日に、労働者の都合で仕事を休むこと」です。

あらかじめ休む事が決まっている日に休むことは欠勤とは呼ばずに、公休や有給休暇になり、振替休日や代休で会社を休むこともあります。

出勤する社員が多すぎて人件費の調整のためなど、会社の都合で休みになる場合も、欠勤ではありません。

労働者自身の都合による休みの中でも、介護休暇や看護休暇、生理休暇など法律的に認められた休暇もあります。

このような法律で認められた休暇は、当日の電話連絡であっても会社側は取得を認めければならず、欠勤扱いにはできません。

それ以外の個人的な理由で、出勤予定の日を休むことを欠勤だと定義されています。

欠勤の理由

社員が会社を欠勤するのにはどのような理由があるのでしょうか。

法律で認められている年次有給休暇や看護休暇などの休暇は欠勤とは呼びません。

また、それ以外にも会社が独自で決めている休暇制度を利用して特別休暇を取得した場合も、欠勤にはなりません。

多くの会社で導入されているのが、親族が亡くなった時に取得できる忌引休暇や、年末年始休暇などの特別休暇です。

社員が欠勤する理由はどのような理由があるのでしょうか。

体調不良

体調不良による欠勤は一番よくあることで、会社によっては病気休暇などの名称で医者の診断書があれば欠勤扱いされない場合があります。

二日酔いなど自己管理に問題がある体調不良による欠勤は、本人の責任なので欠勤扱いされるのは当然といえるでしょう。

しかし、インフルエンザやコロナウイルスなどに感染している場合は、体調不良なのに無理して出勤すると感染が広がり、むしろ会社にとって迷惑となる場合があります。

ウイルス感染による体調不良は、どんなに本人が感染予防をしていても、社会で生きている以上はどこかで感染しまうこともあり、仕方のないことです。

あまりウイルス感染者に対して自己管理を厳しく追求していると、体調不良でも無理をして出勤する社員も出てくるでしょう。

特に健康で若い人は、ウイルス感染しても症状が軽い場合もあり、見た目では分からない場合も多く、本人も問題なく働けることもあります。

しかし、感染していると、周りの人にうつしてしまうので、会社としてはさらに大きな被害となってしまいます。

そのようなことにならないためにも、流行の風邪に感染したのではないかと疑いがある場合は、速やかに上司に報告しやすいように、不利益な扱いをしないようにしておいた方がいいでしょう。

公立の学校でも昔からインフルエンザに感染した場合は、体調が悪くなくてもしばらく学校に来てはいけないことになっています。

会社としても感染が広がってしまっては大きなダメージとなるので、インフルエンザやコロナの場合は欠勤扱いにしないなどの措置が必要ではないでしょうか。

また、女性の場合は生理による体調不良でも生理とは言わず、体調不良と言って欠勤をすることもあります。

生理休暇は法律的に認められた休暇なので、生理による体調不良の時は生理休暇を取得するようにすれば欠勤扱いとはなりません。

傷病

ケガや病気による急なお休みも法律的には、休暇扱いにするように会社に義務づけてはいないので、欠勤となる場合があります。

しかし会社の独自のルールによってケガや病気による休暇は、欠勤扱いとしない会社も多いです。

また、会社の業務中に送った怪我などは労災として治療費などは会社が支払わなければならず、その傷が原因でしばらく会社を休業する際には休業手当も支払わなければなりません。

健康保険を払っている人は条件を満たせば健康保険から傷病手当金が支給されることもあります。

傷病手当金が支給される条件は、仕事に就くことができない状態だと、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったことと、休業した期間についての給与の支払いがないことが条件となります。

その他に「全国健康保険協会」のWebサイトに書いてある傷病手当金の支給条件として業務外による病気や怪我の療養のための休業であることが条件となっていますが、業務内の自由だと労災にあたるため休業手当が支払われます。

事故

事故による欠勤は、場合によっては連絡がつかず無断欠勤とされる場合もあります。

本人が気を失っていることはそれほど多くはありませんが、携帯電話が水につかってしまったり、衝撃で壊れたり電池がなくなったりした場合に連絡が取れないことがあります。

例えば飲み過ぎて徒歩で帰宅する途中に、足を滑らせて川に落ちてしまうと、ケガは軽症でも、携帯電話が水に浸かってしまっているので連絡をとることができません。

また、通勤途中に決められた経路で出勤や退勤をしている時に、事故に巻き込まれた場合は労災とされる場合もあります。

欠勤した場合の給料について

欠勤した場合はノーワーク・ノーペイの労働基準法の原則に従い、仕事をしていない時間で給料が発生することはありません。

年次有給休暇や一部の会社独自の休暇は、仕事をしていなくても給料が発生しますが、それ以外の法的に認められている休暇であっても給料が支払われることは原則としてありません。

例えば介護休暇などは、労働者本人が取得を希望したら当日の電話連絡でも会社側は取得を認めなければなりませんが、給料の支払い義務はなく、休んだ分は給料から引くことができます。

この時に月給から休んだ分の給料が引かれることを欠勤控除と呼びます。

本来もらえるはずだった給料が少し安くなる意味では減給と似ていますが、減給は罰則によるものなので意味が異なります。

欠勤控除の仕組み

欠勤控除はノーワーク・ノーペイの原則に基づいて、休んだ分の給料を月給から引く仕組みです。

欠勤控除は時給や日給などの加算方式で働いている社員や会社にとっては、あまりなじみのない制度で、実際に欠勤控除をすることもまずないでしょう。

時給や日給で働いていると、働いた時間分の給料がどんどん加算されていくので、欠勤した日の分の給料は加算されないだけで欠勤控除をすることはありません。

しかしながら月給の固定給で働いている社員は、何か事情があって休んだ日の給料は差し引くことができます。この時に引かれる金額が欠勤控除です。

計算方法

欠勤控除の金額を計算するためには「月間平均所定労働日数」を求めなければなりません。

月間平均所定労働日数を求めるには1年間である365日から1年間の休日を除くと年間所定労働日数が算出されて、12で割れば簡単に求めることができます。

さらに月給を月間平均所定労働日数で割ることで1日あたりの給与が算出されます。

ただし、この時に役員手当や交通費等の各種手当は除いておかなければなりません。

欠勤とその他の休みの違い

欠勤のほかに様々な形の休みがあります。

欠勤とその他の休みの違いは、どのようなところがあるのでしょうか。

無断欠勤とは?

無断欠勤はどこの会社でも最も重大な禁止事項としている会社も多いです。

会社によっては無断欠勤をした時点で即解雇と、労働規則で定めている場合もあります。

無断欠勤とは連絡をせずに休むことで、たとえ寝坊したとして、どう頑張ってももう仕事に間に合わない場合であっても、終業時間前に一言連絡さえしておけば無断欠勤とはなりません。

しかし事故に巻き込まれた場合など、本人が気を失っていたり、携帯電話が使えなくなったりして連絡が取れないと言うケースも考えられます。

そのため無断欠勤をして即日解雇はあまりせずに、しばらく様子を見た上で判断されるケースが多いでしょう。

また、休みたい旨を会社の上司に伝えた上で、会社がそれを認めなかった場合は、無断ではないので、欠勤とはなるものの無断欠勤とはなりません。

休職とは?

休職とは労働者の都合で長期間休むことで、退職をするはずのところをしばらく猶予している状態でもあります。

主に海外留学や、海外への長期旅行に出かけるために休職をして出かけることが多いです。

育児休業等の休業は休職と名前が似ていますが大きく意味が異なります。

大きな違いは休業となると育児休業給付金などの何らかの休業手当が支給される点で、休職には給付金や会社からの手当は出ることはありません。

公休とは?

公休とは会社が社員に与える休日のことで、あらかじめ指定されていた日のことです。

週休2日制の会社は1週間のうち2日が公休になり、そのうち1日は法定休日になります。通常の会社であれば公休は土日が指定されていることが多いでしょう。

欠勤の対応方法

欠勤の対応方法にはどのような方法があるのでしょうか。

欠勤が多いと他の社員の負担も増えてしまい、会社としてのバランスが崩れてしまう恐れがあります。

有給休暇への振り替え

欠勤を有給休暇に切り替えることは、社員にとっては欠勤したことで給料が減らずに済むことなのでありがたい話となるでしょう。

しかし、有給休暇を取得するためには、従業員が自ら年次有給休暇の権利を行使するために請求をしなければならないのが原則です。

つまり、欠勤を有給休暇に切り替えることは法律に従った正しい取得の仕方ではありません。

このようなことを日常的に行っていると、欠勤しても給料が支払われる誤解を与えてしまい、有給休暇を使い切った後に欠勤した場合に、給料が減っていることでトラブルに発展する恐れがあります。

そのため社員が事前に休みたいと申し出ている日に対して欠勤ではなく有給休暇を進めるのはありですが、急遽休むことになって欠勤した日を後で有給休暇にすることはあまりするべきではありません。

欠勤が多い従業員への対応

欠勤が多い社員への対応は慎重に行なわなければならず、うつ病などの精神疾患の可能性も考えられます。

また女性社員の場合は、生理による体調不良で欠勤が多くなってしまっている場合もあります。

生理の場合は法定休暇の1つである生理休暇が利用できるので、生理休暇の制度も積極的に利用するように促しておくと良いでしょう。

それ以外の二日酔いなどの自己管理不足によることが原因の欠勤の場合でも、厳しく注意するのではなく、皆勤手当などを用意しておくと効果的です。

法律的に認められた看護休暇や介護休暇以外で、欠勤した回数が少ないと特別な手当を支給する制度を用意しておけば、自己管理不足による欠勤は改善されることが期待できます。

まとめ

欠勤と欠勤の対応方法について紹介しました。

労働基準法にはノーワーク・ノーペイの原則があり、欠勤をした日は欠勤控除として給料から引くことができます。

欠勤控除の額を計算することが大変な場合など、欠勤の日を有給休暇として充てることも可能ですが、欠勤しても給料がもらえる誤解を社員に与えてしまいかねません。

また、ウィルスに感染した場合など無理に出勤されるとむしろ困る場合もあり、正直にウィルス感染したと申告しやすいように雰囲気作りをしておくことが重要です。

欠勤の理由には様々な理由があり、欠勤が多い社員には健康面などの問題があるのかなど理解を示す姿勢を見せることが重要です。

欠勤が多いことによる対策は皆勤手当などが効果的で、自己管理に問題があって欠勤が多い社員もある程度の改善が期待できます。

欠勤について正しく理解をし、社員が働きやすい環境を整えるようにしておきましょう。