勤怠管理システムの種類

インターネットで「勤怠管理システム」と検索すると、100製品以上の商品ページがヒットします。

そのため企業の担当者が、勤怠管理システムを選択することはとても大変です。

製品ページを一つひとつ見て、資料請求をして、営業から説明を受けて、見積もりをとって…と気の遠くなる道のりが待っています。

勤怠管理システムの選び方が分からない

それでは、どうやって勤怠管理システムを選べばいいのでしょうか。

商品ページを見ても、営業の話を聞いても、どこも自社製品の良いところしか言わないのが現実です。

そのため、「どれを選べばいいのか分からない」「何を基準に比較すればいいのか分からない」と悩んでしまう担当者が多いのです。

勤怠管理システムの比較基準7選

そんな担当者のお悩みを解決するため、勤怠管理システムの比較基準を7つにまとめました。

この比較基準は、これまで勤怠管理システムを導入した企業から「何を基準に選んだのか」を、ヒアリングした結果をふまえて作成しているので、参考にしてみてください。

また、『勤怠管理システムの比較基準7選』は、社内稟議を通す際に「なぜこの製品を選んだのか」を説明する根拠としてもご利用いただけます。

勤怠管理システムの機能

最初にご紹介する基準は、機能です。機能とは、「パソコンのWebブラウザ上で打刻できる」「Windowsのログオン・ログオフのデータが取得できる」「入退室管理などのデータを取り込める」といった、その製品でできることを指します。

勤怠管理システムを選ぶ際、まずはあなたの会社において必要な「機能」を明確にすることが重要。必要な機能と言われてもピンとこない場合は、「解決したい課題」から考えることをおすすめします。

ケーススタディ

  • 例えば、残業時間の多い従業員と上司へ注意喚起のメールを個別送信しているケース

人事担当者は、従業員一人ひとりへの個別対応に時間が取られていて、業務効率化したいという課題があります。

この場合、導入する勤怠管理システムに「一定の残業時間数になった場合、自動的に注意喚起メールを送信できる」という機能が備わっているかどうかを、確認する必要があるのです。

将来の課題まで想定

勤怠管理システムの機能を確認する際、現状の課題を網羅することはとても大切です。

そして、もう一つ気を付けたいことは、「今後の労務管理の課題」「未来の会社の働き方」です。

勤怠管理システムの導入には予算も時間もかかります。一度導入すると、「やっぱり変えたい」となっても簡単にはいかないことが多いでしょう。

中長期的な目線で、会社の労務管理をどうしていきたいのかを考え、実装しておいた方がいい機能を考えておくことをおすすめします。

ポイント
  • 従業員の働く環境にマッチした機能か?
  • 会社が抱える課題を解決できる機能があるか?
  • 今後実施していきたい労務管理をカバーできる機能があるか?

従業員みんなが使いやすい?使いこなせる?

2つ目の基準は、「使いやすさ」です。勤怠管理システムは、全従業員が毎日利用するシステムですから、簡単に使いこなせるかどうかは非常に重要です。

毎朝、勤怠を打刻するのにいちいちマニュアルを開かないとできなかったり、操作方法について人事担当者へ問い合わせの電話が殺到したり…そんなことが起こっては本末転倒になってしまします。

使いやすさの判断基準は、実際に勤怠管理システムを触ってみて、「直感的に操作できるか」「設定が簡単かどうか」を基準にすることをおすすめします。

管理画面の使いやすさもチェック

勤怠管理システムは、従業員が使いやすいことはもちろん、管理画面の使いやすさも重要です。

よくある失敗談として、便利な機能をたくさん詰め込みすぎて、管理画面の設定が複雑になってしまい、管理者が使いこなせなかった…というケースがあります。

また、将来的には、労働基準法や就業規則の変更に伴い、大掛かりなシステム変更が必要となるケースもあります。

高機能な勤怠管理システムを導入しても、管理担当者が使いこなせいと、宝の持ち腐れになってしまうので、「管理画面が分かりやすいか」「自分でも設定や変更ができそうか」を必ずチェックしておきましょう。

コストに見合った効果があるか

3つ目の基準は、コストパフォーマンスです。勤怠管理システムの比較基準として、皆様の関心が高いのは料金でしょう。

勤怠管理システムは、従業員1人あたり月額〇〇円という設定のサービスが多いです。

導入費用とランニングコストを把握し、費用対効果が得られるのかを見極めることは、重要な比較基準になります。

無料の勤怠管理システムもある

最近では、無料で利用できる勤怠管理システムも続々と登場しています。

無料の勤怠管理システムは、使える機能が元々少ないか、使用できる機能が制限されることを認識しておきましょう。

そのため、無料の勤怠管理システムは「出退勤の記録だけできればいい」「初めてだからまずはお試しで使ってみたい」という企業においては、活用を検討してみてもいいでしょう。

勤怠管理システムの料金体系

勤怠管理システムには、クラウド型とパッケージ型があります。

料金体系が異なるのはもちろん、それぞれ利用する上で特徴があるため、「どちらが会社の課題を解決できるか」「従業員にとって使いやすいのはどちらか」を考える必要があります。

クラウド型の勤怠管理システム

クラウド型の勤怠管理システムは、インターネット上でサービスを使うため、パッケージ型に比べて導入が簡単。初期費用を抑えられる傾向にあります。

クラウド型の料金体系の相場としては、初期費用が3万円〜50万円(無料の製品もあります)、システム使用料が従業員1人あたり月額200〜350円(税抜)が多いです。

また、100名までは月額〇〇円、300名までは月額△△円などと、決められた人数までは一定の料金で利用できるサービスもあります。

パッケージ型の勤怠管理システム

パッケージ型の勤怠管理システムは、自社でサーバーを用意し、ソフトウェアをインストールして使用します。

クラウド型に比較すると、初期費用は高くなりますが、自社オリジナルの勤怠管理システムを作ることができます。

初期費用は30〜100万円ほど、運用・保守費用として1万円ほどです。

パッケージ型は、一度導入すれば自社のサーバー代や運用・保守費用はかかりますが、月額のサービス利用料はかからないため、長く使うほどにランニングコストは抑えられます。

ポイント
  • 勤怠管理システムの料金は機能次第
  • どこまで業務効率化できるかによって、費用対効果は上がる
  • 価格だけで比較せず、会社にマッチした製品を選ぶことが大切

希望通りの納期を実現できるか

4つ目の基準は、希望の納期までに勤怠管理システムの導入が完了するかどうかです。

勤怠管理システムを使い始めたい時期が決まっている場合は、そこから逆算して製品を選定する必要があります。

特にパッケージ型で自社オリジナルの製品をオーダーする場合には、クラウド型に比較して時間がかかるため注意が必要です。

導入する担当者が全権を持って進めることができる企業規模であれば、スケジュールは担当者次第になります。

しかし多くの場合、経営層との折衝や従業員との調整などが必要となり、1人で進めることは難しいでしょう。

スケジュールの考え方

スケジュールを考える際には、勤怠管理システムの納期だけでなく、次の項目にかかる時間も加味する必要があります。

  • 必要な機能を整理する時間
  • オーダーから納期までの日数
  • システムの設定にかかる時間
  • 検証に必要な期間
  • 従業員への教育にかかる時間

最も時間がかかるケース

働き方改革やリモートワークの推進といった新しい働き方が推奨される昨今。

そんな時流もあり、企業は勤怠管理システムを導入すると同時に、就業規則の見直しを検討するケースがあります。

就業規則の改定をする場合は、労働組合との調整など必要な段取りが増えるため、そこまで考慮したスケジュールを考えなくてはいけません。

そうはいっても、労働組合との調整などは慣れていない担当者も多いと思います。

そのため、大掛かりな改革が必要とされるケースでは、就業規則の改定など必要な段取りを考慮して提案してくれる、知識・経験豊富なベンダーを選ぶことをおすすめします。

導入後のサポート体制

5つ目の基準は、サポート体制が充実しているかどうかです。勤怠管理システムは、導入した後にしっかり使いこなすことが大切です。

そのため、導入後に分からないことが出てきた時、適切なサポートを受けられるのかを確認しておきましょう。

スピーディーなレスポンスがあるか

勤怠管理システムを導入した後のサポート体制は、電話・メール・チャット・チャットボットなど、製品によって様々です。

何かトラブルが発生した際、「なかなか電話がつながらない」「レスポンスが遅く解決できない」といったサポート体制では困ってしまいます。

事前にヘルプデスクに電話をかけてみるなど、スピーディーなレスポンスが受けられるかを確認することをおすすめします。

ヘルプサイトが充実しているか

電話・メールの受付時間外に、勤怠管理システムのトラブルが発生した際、役立つのがヘルプサイトです。

これまで寄せられた質問を元に「よくあるQ&A」をまとめたページなど、製品によって様々なヘルプサイトが提供されています。

何かあった際に、担当者や従業員が検索して解決できるかどうかは、重要なポイントです。

勤怠管理システムの導入前でも、ヘルプサイトは一般公開されていることが多いため、試しにチェックしてみることをおすすめします。

「ヘルプサイトの情報は充実しているか」「直感的に操作できるページ構成か」「検索機能が分かりやすいか」といった観点でいくつか閲覧してみると、気づきがあるはずです。

ベンダー担当者との相性

導入する製品や企業規模によっては、選任担当者がつく場合があります。

勤怠管理システムの導入には、分からないことや相談したいことも多く発生することでしょう。

そんな時、「相談しやすいか」「気付いてない点をフォローしてくれるか」といったベンダー担当者への目に見えない信頼感も大切な判断基準になります。

円滑なコミュニケーションが取れるかどうかは、勤怠管理システム導入のプロジェクトの成功を左右する要因にも成りかねないので、人としての相性も妥協しない方がいいポイントです。

中長期的に長く快適に使えるか

6つ目の基準は、中長期的な視点で考えて、快適に使える勤怠管理システムかどうかです。

勤怠管理システムは、一度導入すると何年にも渡って使うことになります。

そのため、製品の将来性と拡張性も判断基準のひとつ。勤怠管理システムの将来性や拡張性と言われても、なかなかピンとこないと思いますので、判断材料を整理していきます。

将来性の見極め方

「気になっている勤怠管理システムに将来性があるのか」それを判断するには、導入ユーザー数の伸び率を見ると分かります。

まず、たくさんのユーザーから選ばれているということは、サービス内容が充実している証拠。そして、多くのユーザーから使用料が集まれば、それを元手に新機能への技術開発へ投資が可能に。

より便利な勤怠管理システムへとアップグレードする期待が持てるのです。

そのため、新機能が過去どれくらいの頻度で追加されているかをチェックすることも、将来性を見極める上で有効と言えます。

新機能が追加されているということは、ユーザーの声を真摯に受け止め、より良い製品へと改善していると評価できるからです。

拡張性の見極め方

拡張性の見極め方は、外部アプリや外部ソフトウェアとの連携がスムーズがどうかをチェックしましょう。

具体的には、勤怠管理システムには『API』という外部とやりとりする窓口のような機能があります。

このAPI機能が充実していると、今後良いアプリが出てきたら、勤怠管理システムとつなげて、より便利に使うことができるのです。

外部との連携機能が充実していることのメリットは、他にも「ゼロから開発するコストを抑えられる」「セキュリティの向上」「最新情報を簡単に取得できる」など、多くの恩恵があります。

導入実績はどれくらいあるか

最後に押さえておきたい比較基準は、導入実績です。勤怠管理システムは、日進月歩で新しい技術が開発され、新製品が続々とリリースされています。

他にはない目新しい機能や魅力的な広告に惹かれることもあるでしょう。

しかし、導入した後に「使い勝手が悪かった」「アフターサービスが良くなかった」「後からコストがかかった」「スケジュール通りに納品されなかった」「期待していた機能が使えなかった」といったトラブルが発生してしまうと本末転倒です。

このようなトラブルを回避するためにも、過去の実績は見ておくに越したことはありません。

導入実績が多いほどにあらゆるケースを経験して製品改良を重ねていると予想されるので、トラブルに見舞われる確率も下がるでしょう。

実績があるからといってリスクはゼロではありませんが、失敗をできるだけ回避するために導入実績は判断材料になります。

また、過去の導入実績がしっかりとある勤怠管理システムの方が、社内稟議を通す際にスムーズに進みやすいこともメリットです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。勤怠管理システムの選び方にお悩みの方に向けて、「7つの比較基準」を解説しました。

勤怠管理システムを選ぶ際には、「使いたい機能が備わっているか」ばかりに目が行きがちです。もちろん、機能は最も大切な基準ではありますが、高機能だからといってあなたの会社にピッタリな勤怠管理システムだとは限りません。

本記事でご紹介したコストや使いやすさといった観点もしっかり検討し、最適な製品を見つけてください。