働き方改革や新しい生活様式が急速に普及する昨今。会社の勤怠管理システムを見直したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「これから勤怠管理システムを導入したい」「新しい勤怠管理システムに入れ替えたい」とお悩みの方に向けて、勤怠管理システムの機能について分かりやすく解説しています。

※この記事は、勤怠管理システムの導入に10年以上携わる専門家が監修しています。ぜひご参考にしてください。

まずは、勤怠管理システムの機能について、基本を解説していきます。

勤怠管理システムは機能で選ぶ

勤怠管理システムを検討する際、気になっている製品で「何ができるのか=機能」を調べると思います。

ところが、各製品サイトは概要しか掲載されておらず、製品紹介資料やデモを見てもアピールポイントばかりで、具体的に「何ができるのか」すべては分からないのが現実です。

無料トライアルができる製品では、実際の画面を触って体験できるものの、すべての機能を確認するとなると非常に大変。そのため、まずは「自社にどのような機能が必要であるか」を先に整理することが大切になります。

機能には、幅と深さがある

そこで「自社にとって必要な機能を洗い出しましょう!」と言われても、初めて勤怠管理システムを導入する会社にとっては、考える基準がないと難しいと思います。

そこで、この記事では、勤怠管理システムの機能を「幅」と「深さ」に分解して、分かりやすく解説していきます。

「幅」による評価とは

勤怠管理システムの機能をチェックする最初の視点は「幅」です。

勤怠管理システムの機能でいう「幅」とは、その製品でできる勤怠管理業務の幅がどこまで広いのかということ。幅が狭い無料の勤怠管理システムであれば、勤務時間の打刻管理だけができます。

反対に、価格が高い最新の勤怠管理システムであれば、打刻管理や休暇管理といった基本的な勤怠管理に加えて、フレックスタイム制や裁量労働制といった様々な働き方に対応していることや、シフト管理まで勤怠管理システムで対応できます。

勤怠管理システムの「幅」チェックリスト

勤怠管理システムの「幅」をチェックするための項目を具体的にまとめます。

【勤怠管理業務の基本範囲】

  • 打刻管理/打刻方法、修正方法
  • 出退勤管理/早退、遅刻、振休、代休
  • 法定休暇管理/年休、積立休暇、休業休暇
  • 法定外休暇管理/夏季休暇、慶弔休暇
  • 勤務実績管理/登録、修正、手当入力
  • 締め処理/締め、集計、給与連携
  • 労働時間管理/36協定、インターバル制度

※これらはどの企業でも必須となる業務範囲です。

【勤務形態】

  • 管理監督者
  • 事業場外みなし労働制
  • 裁量労働制
  • 高度プロフェッショナル制
  • 時差勤務制
  • フレックスタイム制(1~3ヶ月)
  • 1ヶ月単位の変形労働制
  • 1年単位の変形労働制
  • 交代勤務制

社員やアルバイトまで勤務形態を網羅しておかないと、システムを使えない人が出てしまいます。

【その他】

  • シフト管理/変形労働制や交代勤務、パートアルバイト管理をしている業種・業態は必要
  • 工数管理/原価管理のための工数を勤怠管理と合わせて管理したい場合は必要

※オプション対応になる製品が多いですが、会社によっては必須の機能です。

勤怠管理システム

「深さ」による評価とは

勤怠管理システムの機能をチェックするもう1つの視点は「深さ」です。

勤怠管理システムの機能でいう「深さ」とは、1つの機能に対して「例外業務や特殊業務にも対応できるか」「便利な機能があるか」ということ。

例外業務・特殊業務とは、毎日発生するわけではないものの、数ヶ月に1回発生するような特殊な勤務体系など。また、便利な機能とは、長時間労働防止のため、注意喚起メールやアラート表示が自動で行なわれるといった、あると助かる機能のことです。

ケーススタディ

勤怠管理システムの機能における「深さ」を、分かりやすく解説するため、具体例をひとつ見ていきましょう。

■上限月45時間の時間外労働を遵守するため、月の時間外労働が20時間を超過した部下がいる上長へシステムで注意喚起する場合を想定します。

1. 上長の勤怠画面に、部下の残業時間を表示させる

2. 画面にわかりやすく表示させるため、20時間超えた数値の色を変える

3. 20時間を超えた部下毎に、上長へ注意喚起メールを送る

4. 20時間を超えた部下を集約して、上長へ注意喚起メールを送る

上記1~2は、ほとんどの勤怠管理システムが対応しています。3になると対応する製品は少し減り、4になるとかなり減ります。

4は大企業になると出てくる課題であり、中小企業には不要であるため対応していない製品が多いのです。4の機能が大企業にだけ必要な理由は、たくさんの部下を抱える上長に同じような注意喚起メールが何通も自動送付されると処理が大変になるからです。

ポイント

勤怠管理システムは、労働基準法に基づいて勤怠管理を行なう必要があるため、機能の「幅」という観点では、どの製品でもある網羅されていることが多いです。

一方で、機能の「深さ」については、製品ごとに大きな差が生まれやすいため、よく比較検討することをおすすめします。

まとめ

本記事の解説を見て、勤怠管理システムは、機能の「幅」と「深さ」に着目して選ぶ必要があることはお分かりいただけたでしょうか。

それならば、多機能で便利な機能がたくさんついた勤怠管理システムを選んでおけば間違いないか?というと、そうではありません。多機能になると、それだけメンテナンスする箇所が増えるため、システム運用に労力やコストがかかるのです。

また、多機能すぎて担当者や社員が使いこなせない…という事態も起こりがちです。ですから、自社にとって「どんな機能が必要か」「どんな業務を効率化したいか」をしっかり検討し、ちょうどいい勤怠管理システムを選ぶことをおすすめします。