2019年4月の働き方改革関連法施行に伴い、会社が労働時間を適正に把握するためのガイドラインが示され、エクセルによる勤怠管理は客観的な記録方法としては不十分とされるようになりました。

しかし、今までエクセルによる勤怠管理を行っていた会社が、すぐに勤怠管理システムに移行するのも難しい面があります。

この記事では、エクセルによる勤怠管理の何が問題なのかを明らかにした上で、エクセル管理が可能な会社/向いていない会社を切り分け、解決策について解説します。

失敗しない勤怠管理システムの選び方とは?
・勤怠管理システム検討時に抑えるべき点を整理したい
・現状の勤怠業務で管理すべき点を網羅的に整理したい
・効率化(システム化)できる点を整理したい

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エクセルによる勤怠管理とは?

エクセルに関数やマクロを組み込んで、従業員に出退勤情報を入力させ、労働時間を自動集計するものをいいます。

出退勤時にタイムカードを押しているところや出勤簿に時刻を記入する会社も多いと思いますが、エクセルをタイムカード代わりにすることで勤怠管理もできてしまいます。

出退勤時に指定されたエクセルに時刻を入力すれだけでよいため、気軽にかつ効率的に行うことが可能です。

勤怠管理をエクセルで行うメリット

勤務管理をエクセルで行うメリットは主に以下のものがあります。

費用がかからない

最も大きいのは、費用がかからないことです。
多くの会社では、パソコンの中に標準でエクセルが入っていることがほとんどで、それを使用することになるため、導入費用はほとんどかかりません。

レイアウトや項目など自由度が高い

エクセルがベースであるため、自分でレイアウトや項目を決めることができます。
市販の勤怠管理ソフトの場合は、レイアウトや項目が定められていることが多いため、それに合わせないといけません。

手動計算よりも計算ミスが起きにくい

エクセル管理により、集計が自動計算できるため、計算ミスが少なくなります。

タイムカードや出勤簿から転記して手動計算を行う場合は、時間計算できる電卓を用いたとしても、どうしても計算ミスが起きてしまいます。

エクセルによる勤怠管理が可能な会社/向いていない会社

エクセルによる勤怠管理が可能な会社とそうでない会社があります。

エクセルによる勤怠管理が可能な会社

  • 従業員数が少ない(30人未満)
    • 従業員が少人数であれば、ある程度効率的に管理できます
  • 給与体系がシンプル(従業員の大半が時給)
    • 時給×労働時間で給与計算できるため、エクセルでもカバーできます
  • エクセルに精通した従業員がいる
    • 自動計算のための関数やマクロを組めたり、テンプレートをカスタマイズしたりといった作業が可能なレベルで、エクセルに精通した従業員がいるとベストです

エクセルによる勤怠管理が向いていない会社

  • 従業員数が30人以上
    • エクセルでの勤怠管理では対応が追い付かない場面が多くなります
  • 基本の給与体系が月給
    • 割増賃金率等の関係で複雑・高度な処理が必要となるため、賃金が正しく計算されないおそれが出てきます
  • 変形労働時間制やみなし労働時間制を採用している
    • 単純に1日8時間・週40時間を超えた部分を時間外労働として扱うわけではなくなるため、エクセルでの管理は難しいでしょう

自作するかテンプレートを利用する

自作する場合は、項目として最低でも「出退勤時間」「休憩時間」「遅刻・早退」「残業時間」「深夜労働」「休日労働」は設ける必要があります。

また、無料テンプレートを使うことで、手間を掛けずにエクセルで勤怠管理できます。
難しい関数の知識も不要なため、エクセルに詳しい従業員がいなかったり、自作する時間がなかったりする場合にはおすすめです。

以下にオススメのテンプレートサイトをご紹介します。

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勤怠管理をエクセルで行うデメリット・注意点とは?

エクセルによる勤怠管理は、無料でかつ手軽に管理ができる反面、リスクや問題点も多く存在します。

入力ミスや改ざんが起きやすい

従業員一人一人が個別にエクセルを開いて入力しなければならないため、入力漏れが起きやすく、また入力ミスがあっても気付かないことが多くなります。

その点、タイムカードなどで処理している場合、打刻漏れはあるものの入力ミスという事態はまず起こりません。

また、改ざんが簡単にできてしまう点も大きな問題です。
出退勤時間をわざと違う時間を入力することにより、残業時間を過大申告することも可能ですし、逆に使用者が出退勤時間を改ざんし残業時間を少なく書き換えることも可能です。

従業員の数に比例して管理の負担が大きくなる

労働時間の自動集計まではある程度エクセルで可能ですが、集計データをCSVなどに出力して給与データに反映をさせ、おかしな数値がないかというチェックは、手作業になります。

当然ながら対象人数が多ければ多いほど作業量は増えてしまい、工数がかかるだけでなく、ヒューマンエラーの発生率も高くなります。

労働時間は適正に管理する必要があるため、間違った数字のまま作業を進めてしまうと、払う必要のない賃金を払ってしまったり、最悪の場合は未払い残業代が発生して労使トラブルに発展したりという事態に陥りかねません。

有給管理が困難

ルールが複雑な有給休暇に関するステータスをエクセルで管理するのは、非常に困難と言わざるを得ません。

有給休暇の付与タイミング、付与日数、取得状況などは従業員によって異なってきます。
特に、2019年4月から実施されている年5日の有給取得義務を達成するためには、全従業員の取得状況をリアルタイムで把握する必要があります。

働き方改革により社会的にも注目度が増してきている有給管理の良し悪しは、会社の社会的信用にも繋がります。

多様化する働き方に対応できない

変形労働時間制やフレックスタイム制、みなし労働時間制を取り入れている会社は、労働時間や残業時間の考え方が通常の労働基準法とは異なるため、エクセルの出退勤入力では正しく管理できません。

たとえば、労働基準法では原則1日8時間・週40時間を超えた場合に割増賃金が発生しますが、変形労働時間制やフレックスタイム制、みなし労働時間制を採用していた場合は、一概に割増賃金が発生するとは限りません。

エクセルでは、こうしたイレギュラーな計算に対応するのが非常に困難です。
割増賃金の対象でない部分を割増賃金と認識してしまい、必要のない賃金を払ってしまうこと(もちろんその逆も)が予想されます。

法改正に対応できない

近年は、労働に関する法律が毎年のように改正されていますが、労働時間や休日に関する規定が改正された場合、エクセルでは自動で対応できません。

その都度自分で修正するか、改正内容に対応したテンプレートを新たに入れ直すしか方法はありません。

自分で修正した場合は、果たしてその法改正を正しく理解しているかのリーガルチェックも必要となります。
かりに誤った知識のまま修正していた場合、後々大変な事態を招く可能性があります。

法改正対応したテンプレートを入れ直した場合も、新しいテンプレートに慣れたり、そもそも対応に時間がかかることも考えられます。

不適切な管理方法と判断される可能性がある

厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に、労働時間を客観的に記録する方法が示されています。

原則的には「使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること」もしくは「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」とされています。

ただし、例外的に「やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合でも、申告される労働時間が実情と一致していること」などが必要とされています。

エクセルによる勤怠管理は、「例外的な自己申告による労働時間管理」とされる上、前述したように入力漏れや改ざんのリスクを抱えていることから、客観的な勤怠管理としては不十分とされる可能性があります。

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勤怠管理システムがエクセルより有利な理由

先述した「エクセルにより勤怠管理に向いていない会社」の要件に1つでも該当する場合は、勤怠管理システムを導入することをお勧めします。

エクセルには費用が掛からないという大きなアドバンテージがあるように見えますが、管理の煩雑さやリスクを考えると、むしろ最終的な労務コストは大きくなる可能性が高いです。

勤怠管理システムであれば、以下に挙げるメリットを享受できるため、初期投資コストは十分に回収可能です。

入力ミスや改ざんのリスクがない

勤怠管理システムは、入力ミスや改ざんのリスクを無くすように設計されています。

たとえば、社員各自でICカード等を用いて出退勤打刻を行うことにより、成りすましによる不正打刻を防止しつつ、出退勤データも自動で反映されます。

記録したデータは、誰がどの部分を修正したという履歴も残るため、エクセルで管理する場合に問題となっている入力ミスやデータを改ざんされる恐れもありません。

従業員が増えても負担が大きくならない

従業員が増えた場合でも、データ移行や勤怠チェック等の負担を抑えることができます。

全従業員のデータが1つに集約されているため、個別にチェック・集計する手間もかかりません。また、給与計算システムとの連携も簡単です。

データを一元管理できるため、業務効率が大幅にアップすることが期待でき、従業員増加に伴い雪だるま式に負担が増えることもありません。

また、計算ミスや転記ミスなどのヒューマンエラーも極力減らせます。

法改正や多様な働き方にフレキシブルに対応可能

法改正が行われても、提供元がスピーディに対応してアップデートしてくれるため、安心して利用できます。

法改正部分も概要を押さえるだけで良く、使用しているシステムによっては動画などでわかりやすく解説してくれている場合もあります。

エクセルでは対応が困難であった変形労働時間制やみなし残業労働時間制を採用している場合でも、個別に細かく設定することができるため、十分対応可能です。

有給管理も楽に

リアルタイムに勤怠実績が把握できるため、有給の取得状況の確認も楽になります。

有給の申請・承認フロー機能や、取得アラート機能などを利用することで、更に効率的に有給管理も可能です。

各社員の有給付与日や付与日数、残日数ももちろん、時効で消滅する日も確認できるため、積極的に有給消化を推奨することも可能です。

客観的な記録方法として認められる

「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」は厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に沿っています。

そのため、勤怠管理システムによる打刻方法を採用することで、適正な勤怠管理が行われていると評価されます。

また、急遽労働時間関係の書類を提出しなければいけない場合でも、すぐに出力が可能で、改ざんされるリスクも極めて低いため、信頼性も高くなります。

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会社にマッチした勤怠管理システムを導入して業務効率化へ

多様な働き方が注目されると同時に、コンプライアンスがより求められる現在において、エクセルだけで勤怠管理を完結させられる会社は限られてくるのが現実です。

ただし、やみくもに勤怠管理システム導入しても、不要な機能が多かったり必要な機能が備わっていなかったりと、ミスマッチが起きてしまっては金銭面・時間面で大きなロスとなってしまいます。

「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」であれば、詳細な条件を指定して自社にマッチングする勤怠管理システムを探し出すことができます。

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