振替休日や代休はなるべく近接した日に取得するのが理想ですが、業務の都合などで月をまたいでしまうこともあります。その場合は単なる相殺ができず、煩雑な処理が必要となります。

この記事では、振替休日や代休が月をまたいでしまった場合に、法律違反とならないための正しい処理方法について解説します。

失敗しない勤怠管理システムの選び方とは?
・勤怠管理システム検討時に抑えるべき点を整理したい
・現状の勤怠業務で管理すべき点を網羅的に整理したい
・効率化(システム化)できる点を整理したい

勤怠管理システムの選定を効率化するなら IT Forward をご利用ください。

要件定義からできるSaaS選定比較サイト
勤怠管理システムを選定する
\無料でご利用できます/

振替休日とは?代休とは?

振替休日と代休は、ともに「本来休日であった日に勤務する代わりに別の労働日を休みとする」ものです。一見同じよう見えますが、実はこの二つは代わりに休みにする日をいつ決めるか、という点において違いがあります。

これによって、賃金計算や労務管理上の取り扱いに違いが出てきます。この違いを理解しておかないと、法令違反となるリスクがあるので注意が必要です。

振替休日と代休の違いについての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>振替休日と代休の違いをわかりやすく解説|法律違反リスクを回避

事前に労働日と休日を入れ替える振替休日

振替休日とは、事前に申請および承認をしたうえで本来休日である日に勤務し、その代わりに別の労働日を休日として振り替えることをいいます。

事前に代わりに休日に振り替える日を決めておく意図は、法定休日の確保です。振替休日の場合は、本来休日だった日を労働日として考えるので、休日労働に対する割増賃金は発生しません。

また、あくまでも「あらかじめ」休日と労働日を振り替えることになるため、休日労働が発生してから事後に振替休日を設定することはできません。

事後に代わりの休日を取得する代休

一方で代休の場合は、休日出勤がおこなわれたあとで別の労働日を休日として取得します。

この場合、法定休日に労働が行われた時点で休日労働をしたことになり、休日割増賃金の支払が必要になります。なお、代休は必ず付与しないといけないものでもありません。

休日労働の割増賃金は基礎賃金の0.35倍ですので、基礎賃金分とあわせて1.35倍の賃金の支払が必要です。ただし、代休を取得する場合はほかの日に一日の休日を付与しているため、休日出勤に対して支払う賃金は割増分の0.35のみとなります。

振替休日や代休が月をまたいでしまったときの処理方法

振替休日や代休については、取得期限が明確に決まっているわけではありません。そのため、法令上はいつ取得してもよいものとされています。

振替休日と代休の期限についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>振替休日や代休に期限はある?|トラブル回避のためのポイント

しかし、実際は月をまたいで振替休日や代休を取得する場合は、割増賃金の内訳など給与計算上注意すべき処理が発生します。ここでは、振替休日や代休が月をまたいでしまったときの処理方法について、解説します。

なお、ここで言う「月をまたぐ」とは一賃金計算期間つまり「賃金締め日をまたぐ」という意味であり、月をまたいでも同一締め日の範囲内であれば以降の処理は不要です。

振替休日が月をまたいだ場合

振替休日を取得する場合、休日割増賃金が発生するわけではなく、別途同じ日数の労働日を休日にするため結果的に給与額は不変となります。

ただし、「結果的には同じになる」という理由で翌月以降の振替休日分と相殺することは、振り替えて労働した日の賃金を当月に支払わないことになり、労働基準法第24条の「賃金全額払の原則」違反となります。

よって、月(または同一賃金計算期間)をまたぐ振替休日になる場合は、まずはいったん休日勤務分も含めた分の賃金を支払わなくてはなりません。そのうえで翌月以降に、振り替えて取得した休日分の賃金を取得した月の賃金から控除するという処理になります。

休日を振り替えて勤務した結果、その週の労働時間の合計が法定労働時間(40時間)を超過した場合には、超過分の勤務に対する時間外割増賃金の支払が必要です。

また、本来振替休日の場合は休日割増賃金は発生しませんが、月をまたいだことにより当月の休日が4週に4日の法定休日を確保できなくなった場合は、休日労働に該当するため休日割増賃金が必要となります。

なお、振替休日を取得した月に控除できる賃金は、1日の基本賃金分のみであり、既に発生している時間外割増賃金(25%)や休日割増賃金(35%)は控除できないため、注意が必要です。

代休が月をまたいだ場合

代休の場合も、まずは休日出勤をした月に休日割増賃金分を含めた賃金を全額支払います。そして翌月以降の代休取得月の賃金から基本賃金分のみを控除する、という基本的な処理も「振替休日」と同じになります。

あくまでも控除して精算できる額は基本賃金のみで、休日割増賃金分は控除できない点も同様です。

なお、休日出勤においては「時間外労働」という概念がないため、休日出勤により法定労働時間を超過しても、時間外割増賃金の支払いは不要です。この点は、振替休日の処理と比べてシンプルで分かりやすいと言えます。

失敗しない勤怠管理システムの選び方とは?
・勤怠管理システム検討時に抑えるべき点を整理したい
・現状の勤怠業務で管理すべき点を網羅的に整理したい
・効率化(システム化)できる点を整理したい

勤怠管理システムの選定を効率化するなら IT Forward をご利用ください。

要件定義からできるSaaS選定比較サイト
勤怠管理システムを選定する
\無料でご利用できます/

振替休日が週をまたいでしまったときの処理方法

振替休日が週をまたぐこと自体は問題ありませんが、その場合は割増賃金が発生する可能性があるので注意が必要です。労働基準法では、週に40時間(特定業種は44時間)を超える勤務をした場合は、25%の時間外割増賃金の支払いが必要としています。

同一週に振替休日を取得していたり、祝日があったりする場合には週の法定労働時間を超過しないかもしれませんが、すでに同一週に40時間勤務をしていた場合は本来の休日に勤務した分がそのまま時間外割増賃金の対象となります。

週をまたいでいても、同一月(賃金支払期)内に振替休日を取得していれば相殺しても賃金全額払の原則違反とはなりません。ただし、その場合であっても、週の法定労働時間超過という時間外労働の事実は消えないため、相殺できるのは基本賃金に相当する部分のみとなります。

なお、代休については、休日労働の事後に取得するものであるため、週またぎは頻繁に起こり得ます。また、休日労働は時間外労働にはカウントされないため、振替休日の場合のような処理は考えなくても構いません。

変形労働時間制やフレックスタイム制の場合の処理方法

変形労働時間制やフレックスタイム制を導入している場合、変形期間や清算期間と呼ばれる一定期間内の総労働期間トータルで労働時間を考えます。そのため、枠内に収まっている限りは、振替休日の取得が月をまたいでも時間外労働は発生しません。

ただし、休日労働については、変形労働時間制やフレックスタイム制においても同じルールが適用されます。よって、一旦休日出勤に対する賃金を支払って、翌月以降の取得月の賃金で控除精算するという処理が発生することになるため、注意が必要です。

変形労働時間制についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>変形労働時間制の本当のメリット・デメリットとは?|各制度別に解説

フレックスタイム制にについての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>フレックスタイム制|メリットを活かしながらデメリットに対策を

失敗しない勤怠管理システムの選び方とは?
・勤怠管理システム検討時に抑えるべき点を整理したい
・現状の勤怠業務で管理すべき点を網羅的に整理したい
・効率化(システム化)できる点を整理したい

勤怠管理システムの選定を効率化するなら IT Forward をご利用ください。

要件定義からできるSaaS選定比較サイト
勤怠管理システムを選定する
\無料でご利用できます/

振替休日・代休の管理は勤怠管理システムがおすすめ

振替休日・代休の管理は、いつ手続きをしたのか、月をまたいでいないか、などによって処理方法が異なるため、紙やExcelによる管理では人事担当者の負担が大きくなります。

勤怠管理システムを導入することで、従業員ごとの休日の管理や給与計算が自動化されるため、思わぬ法違反や労務トラブルを防止することができます。

失敗しない勤怠管理システムの選び方とは?
・勤怠管理システム検討時に抑えるべき点を整理したい
・現状の勤怠業務で管理すべき点を網羅的に整理したい
・効率化(システム化)できる点を整理したい

勤怠管理システムの選定を効率化するなら IT Forward をご利用ください。

要件定義からできるSaaS選定比較サイト
勤怠管理システムを選定する
\無料でご利用できます/