育児休業は誰でも取得できる休暇ではないことはご存知でしょうか。

一方で、条件を満たせば、女性だけではなく男性も取得できる制度になります。

この記事では育児休業制度を利用できる条件と利用した場合の対応について分かりやすく解説します。

また、育児休業を効率良く、取得できる方法も紹介します。

育児休業制度とは

育児休業制度とは子供が1歳になるまで、仕事を休んで給付金を受けられる制度です。

取得義務のある産前産後休暇と違い、育児休業は任意制度であるため、必ずしも取得する必要はありません。ただし子供が1歳になるまでという原則があります。(例外措置により、最大で1歳半になるまで取得延長は可)

育児休業制度と法律

育児休業制度は法律で定められた育児を支援するための制度で、会社は社員が希望したら取らせなければならないという法律はありますが、社員は取るか取らないか選択出来ます。

育児休業制度の特徴は産後休暇と違って、男性でも取得可能だという点です。

一方、育児休業制度は出産した人なら誰でも取得出来るというわけではなく、以下の人は取得が出来ません。

  1. 雇用された期間が1年未満
  2. 1年以内に雇用関係が終了する
  3. 週の所定労働日数が2日以下
  4. 日雇い

母親がこの条件に当てはまってしまった場合は、父親が代わりに育児休暇を取得するという事も可能です。

育児休業給付金

ここでまず多くの方が誤解されていることは、育児休業制度では必ず育児休業給付金をもらえるわけではないことです。

しかし、育児休業制度を利用出来る人は大体の人は育児休業給付金を得ることの出来る条件も整っているはずなので、多くの人はあまり気にする必要はありません。

育児休業給付金がもらえる人は雇用保険に入っている人が対象です。 つまり上記に挙げた週の所定労働日数が3日以上等の条件を満たしていれば、1日3時間勤務のパートタイムの方でも育児休業を取得できます。

家族の扶養に入っている人などは扶養から外れないために勤務時間を抑えている人も多いのではないでしょうか。

そのように家族の扶養に入っている人は雇用保険に加入していない人も多いです。 雇用保険に入っていないと育児休業給付金はもらえないので、その点注意は必要です。

育児休業給付金はもらえませんが、産前・産後休業と育児休業の間は厚生年金、社会保険料は免除されるのでその分の家計の負担は軽くなります。

男性の育児休業

男性の育児休業

育児休業は男性でも取得可能で、国会議員や県知事なども取得したことで話題にもなっているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

具体的に男性が育児休業をするとどうなるのか紹介していきます。

果たして男性が育児休業を取得しても同じように育児休業給付金はもらえているのでしょうか。

男性が育児休業取得すると・・・

例えば夫婦共働きで、夫婦共々がっつり仕事をしている家庭の場合は、生まれた子供から見て母親は育児休業制度を利用出来るのはもちろんのこと、父親も一緒に取得できます。

母親は仕事に復帰して父親が育児休業を取得するという事も出来ます。

また、違うパターンで、母親が育児休業制度を利用出来ないような立場であった場合、父親だけが育児休業制度を利用して給付金をもらいながら育児休業を取得する事が出来ます。

その間、母親は仕事をせずに一緒に休んでいても特に何も受け取る事は出来ません。

夫婦で子育てに集中してもいいですし、母親の方だけ何らかの仕事を見つけて働くこともいいでしょう。

パパ・ママ育休プラス制度を利用すれば2回取得可能!

パパ・ママ育休プラス制度というものがあるのはご存知でしょうか。 パパ・ママ育休プラス制度の特徴としては、育児休業が1歳2ヶ月まで取得出来るという点と、男性は2回取得出来るという点です。 パパ・ママ育休プラス制度とは別の話で、育児休業は原則1年であるものの保育園が見つからないなどの特別な事情があれば1年半まで延長出来ます。 パパ・ママ育休プラス制度では特別な事情が無くても1年2ヶ月まで取得出来ます。 ただしこれは父親か母親のどちらか1人が1年2ヶ月育児休業を取得出来るというものではなく、2人合わせて最大で1年2ヶ月取得出来るというものです。

つまり1人当たりの育休取得可能最大日数は産後1年ということには変わりありませんが、この配分を上手くすることで1年2ヶ月まで育児休業を夫婦のどちらかが取得出来るということになります。

育児休業を取得すると社会保険や厚生年金が免除されたり、育児休業給付金をもらえたり出来るので、これらを取りこぼすことなく受け取る事が出来ます。 次に男性は2回取得出来るということの意味ですが、通常は育児休業は最初の2ヶ月と最後の2ヶ月だけ取得するというような分割して取得する事は出来ません。 しかし男性に限ってはある条件を満たすとパパ・ママ育休プラス制度によって2回取得することが出来ます。

それは生まれた子供から見て母親の産後休暇である8週間の間に育児休暇を取得して、なおかつ母親の産後休暇内に育児休暇を終えている事です。

つまり出産後すぐに育児休暇を取得して、そのまま産後休暇の期間が終わってしまった後だと、1度復職したあとはもう育児休暇を取得する事が出来ません。

産後から8週間以内に父親が育児休業して、復職していると、任意のタイミングでもう1度育児休業を取得出来ます。 さらにパパ・ママ育休プラス制度を利用すると育児休暇を分割して取得する事も出来ます。

つまり最初の2ヶ月は母親が育児休業して、その後の2ヶ月は親戚が子供の面倒を見てくれるので夫婦共々仕事に出て、その後の2ヶ月は父親が育児休業を取得するという事が可能になります。

家庭の事情は様々だと思いますので、家庭の事情によって賢く使い分けましょう。

育児休業制度と育児休暇の違い

育児休業と育児休暇は似た名前ですが全く違うものです。

育児休業だと雇用保険に加入していると育児休業給付金がもらえますが、育児休暇の場合は雇用保険に入っていてももらえません。

育児休暇は法令で定められていない

育児休暇は法令で定められておらず、各自が会社に申請してただ休むだけという形になります。 もちろんその間、公的な育児休業給付金などはもらう事が出来ません。

国会議員や県知事が育児休業をすると宣言して話題にはなっていますが、国会議員や県知事はフリーランスのような立場なので育児休業制度は利用出来ません。

したがって国会議員や県知事が育児休業をすると宣言しているのは、正確には育児休暇という事になります。

ということは育児休業給付金も受け取ってはいませんが、国会議員や県知事の給料体系は時給制や月収制ではないので、育児休暇をする事で自主返納しない限り収入が減るという事もありません。

育児休業は給付金を受けながら休める

育児休業は法律でしっかりと認められた育児休業給付金をもらいながら仕事を休むことの出来る制度です。 育児休業を取得できる人には条件があり、育児休業給付金をもらえる人にも条件があるというのは前述した通りです。

このような条件を満たしていない人が育児のために仕事を休むことが育児休暇だということになります。

また、事業主やフリーランスなど、会社に雇われていない立場の人は毎日長時間働いていたとしても育児休業は取得出来ません。

そのため、フリーランスの方が育児休暇を取得するためには、最低限条件を満たすまでのパートタイム勤務をしておかなければなりません。

妊娠するかもしれないフリーランスの方で、それほど毎日忙しくない方は、副業として週3ほどのパートタイム勤務をしておくと、育児休業は取得する事は可能となるのでやっておいた方がいいかもしれません。

妊娠や出産は若い夫婦の間ではほぼ必ず起こることですので、妊娠した時に何も支援されないという状況にならないように気をつけておきましょう。

育児休業のメリットデメリット

育児休業は単純に休んでいてもお金がもらえるので一見いいことばかりのようですが、いい事ばかりではありません。

育児休業の取得は任意だということからも分かるように、育児休業にはメリットがあればデメリットもあるのです。

メリット・育児に集中しながら仕事をせずに生活できる

育児休業制度のメリットはなんといっても、仕事を休んで、育児休業給付金を受け取って最低限の生活を維持しつつ、育児に集中することが出来ることです。

育児休業給付金がもらえるという事ももちろんですが、社会保険料も免除されるので、実際に育児休業をした事で家計が受けるメリットは大きいです。

育児休業給付金はそれほど高くはないから育児休業を取得することをためらう人もいますが、社会保険料の免除という点が計算から抜けている事も多いです。

もちろん育児休業を取得することで子供は親の愛情を受けて育つという事になりますので、子供の将来の人格形成にも大きく影響することでしょう。

デメリット・仕事に影響があるかも

育児休業は一見、誰もが取得を希望する素晴らしい制度のようですが、任意となっているというのは、育児休業を取得すると困る人が一定数いるからです。

やはりそれは仕事や出世に影響がある事を懸念している人です。

例えば人海戦術で、変わりはいくらでもいるというような仕事であれば、育児休業を取得したことで大きな影響はないでしょう。 しかし、継続性のある仕事や、成果報酬の仕事だと、復職後に少し不利となってきます。

例えば仕事を通じて、自分自身が成長して、さらにいい仕事を出来るというタイプの仕事の場合は、1年間休むことで周りと差をつけられてしまうことになります。

1年間育児休業で休むことで確かに不労収入は得る事は出来ますが、その後の10年間のことを考えると、今ここで少しでも休むわけにはいかないという事にもなってしまいます。

また、前年の成果によって年収が決まる外資系企業などは育児休暇で1年休むと当然ながら成果は0なので復職後の給料は最低レベルという事になってしまいます。

復職後に落ちてしまう給料の額と、育児休業によるメリットを比較してみた場合、育児休業を取得した方が失うものが大きいという場合もあります。

もちろん実際には育児休業をした事を含めた上で評価をして、育児休業の影響は無いのかもしれませんが、影響あるのではないかと思う人が育児休業の取得をためらいます。

しかし、育児休業というのは親がお金をもらうための制度ではなく、あくまで子供のためなので、その辺りを含めて総合的に考えてみて育児休業するべきかを考える必要が出てくるでしょう。

男性の育児休業

育児休業取得の注意点

育児休業を取得するには見落としてしまいがちな注意点があります。

これから紹介する注意点を見逃すと、人によっては育児休業を取得しない方が良かったという人もいるかもしれません。

育児休業を取得する際はよく注意して考えましょう。

総収入は減少する

育児休業は夫婦両方取得出来るということで、二人とも取得して育児休業給付金をもらうと誰も働かなくても生活出来るだけの収入を家庭で得る事が出来るという事になります。

しかし、忘れてはならないのは総収入は減るという事です。

また、仕事内容によっては育児休業を取得する事で、復職後の仕事が大きく不利になり、その後の生活に悪影響となる場合もあります。

育児休業を取得する事に対してはみんなが理解を示してくれる世の中に近づきつつありますが、休業中は仕事上でなんの成果も出せないという事もまた事実です。

1年休むことで仕事を忘れてしまい、評価が下がるという事もあるでしょう。

育児休業を取得すると復職後どうなるかは、仕事内容や職場によるのではっきりとは言えませんが、よく考える必要はあります。

取得には一定の条件あり

育児休業の取得には厚生労働省のホームページによると、申請した時点で以下のような条件があります。

  1. 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている
  2. 子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる
  3. 子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでない

つまり働き始めたばかりの職場か、辞める直前の職場では育児休業制度は利用出来ないという事です。

これは家族の扶養になっていて働いていない人や、フリーランスの人が育児休業目当てで妊娠した途端に働き始めるという事が出来ないようになっています。

育児休業は決して正社員でないと取得出来ないというものではありませんし、扶養の範囲内で働いている人も取得出来る制度です。

妊娠と出産はほぼ必ずある事なので、結婚してから専業主婦などにはならずに、ちょっとだけでも働いていた方がいいでしょう。

注意しなければならないのが、育児休業の取得出来ない人の条件として週2日以下の出勤という条件があります。

つまり、時間で区切ってはおらず、働いている日数で区切っているのです。

週1日だけ10時間働いている人は育児休業は取得出来ませんが、週3日で1日3時間だけ働いている人は取得する事が出来るのです。 結婚している若い女性で、専業主婦として夫を支えている人は、子供が出来るまでは週3日だけでも働いておくことをおすすめします。

育児給付金は給料から計算するので週3日の3時間勤務であればそれほど多くはもらえませんが、それでももらえないよりは良いでしょう。

育児給付金は現在の厚生労働省のホームページによると給料の67%ですが、これは毎年変わってきますし、地域によっても変わって来るのでお近くのハローワークに問い合わせてみましょう。

まとめ

育児休業制度について紹介しましたが、育児休業制度にはこのような特徴があります。

育児休業制度はあくまで国が定めている子育て支援のベースとなる制度です。

地域によっては地域独自の子育て支援の政策もありますし、会社が福利厚生の一環で独自の子育て支援をやっているところもあります。

子供の養育にはお金がかかるので、国や地域の様々な政策を賢く利用して、子育ての負担を少しでも減らすようにしましょう。

お金の面だけ見ると育児休業することで、今後の仕事に影響があったり、育児休業給付金は給料の一部だけということを考えると、育児休業を取得しない方が家庭の収入は多いでしょう。

しかし、忘れてはならないのは、産前、産後休暇は女性の体の事を大事にするための制度ですが、育児休業制度は子供のための制度なのです。

お金だけのことでいうと育児休業制度を利用せずに今まで通りに働いて、子供は親戚などに預けた方が、収入は多いですが、子供のためには果たして良いのか悪いのかという事です。

育児休業制度を利用する事による仕事の影響、育児休業をしない事による子供への影響、この2つを中心に考えて、育児休業制度を利用するのかしないのかを考えるのがおすすめです。