勤怠管理における打刻は、タイムカードからシステムの利用へと変わりつつあります。

実態に応じた正確な打刻は勤怠管理の基本であり、対応を怠ると重大な労使トラブルに発展します。

この記事では、タイムカードによる打刻の問題点を検証し、それに代わる打刻方法としてどのような手段があるのか、さらに具体的なおすすめシステムについて解説します。

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勤怠管理における打刻とは?

勤務管理における打刻とは、労働時間の把握を目的として出勤・退勤時間の把握を行うことを指します。

従来はタイムカードを用いた打刻が主流でしたが、近年は多様な働き方への対応、従業員および人事担当者の負担軽減を目的としてシステムへの移行が進んでいます。

なぜ、打刻が必要なのか?

打刻が必要な理由として、主に以下の3つが挙げられます。

  • 労働時間把握の義務があるため
  • 正確な給与計算のため
  • 長時間労働や深夜労働の把握のため

労働時間把握の義務があるため

企業には労働時間の把握義務があります。
従来は給与計算や法定帳簿である出勤簿を作成するための付随義務でしたが、2019年の働き方改革関連法改正の一環として「従業員の労働時間の把握」が明確に義務化されました。

そして、労働時間は客観的な記録によって把握することが求められています。

正確な給与計算のため

時間外労働や休日・深夜勤務には割増賃金の支払が必要です。
また、遅刻・早退に対してはルールに則って賃金控除を行う必要があります。

これらはすべて、正確な労働時間が分からないと計算できません。

長時間労働や深夜労働の把握のため

過重労働の検知や休暇取得日数を管理し、従業員の健康を守るためには労働時間の把握が必要です。

先に述べた働き方改革関連法の改正では、上限を超える時間外労働の禁止や有給休暇の最低取得日数などが定められました。

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タイムカードによる打刻の問題点

近年、勤怠管理の手段がタイムカードからシステムへ移行が進む背景には、タイムカードによる打刻が抱える問題点が大きくなったことが考えられます。

不正打刻を防止できない

タイムカードは本人でなくてもカードが手元にあれば打刻が可能であるため、不正打刻を防止できません。

具体的には、遅刻しそうな場合に、出勤している同僚に代理打刻を依頼をして定時出社に見せかけたり、反対に退社時に自分で打刻せず、残っている人に打刻を依頼して残業を偽装したりといったこともできてしまいます。

また、出社さえしていれば実際に勤務しているかは判断できないため、出社だけしてタイムカードを打刻したあとで食事をするなどしても勤務時間としてカウントされます。

このように、タイムカードによる打刻では不正が起きやすく、従業員各自のモラルに依存してしまうことになります。

打刻漏れが多い

出退勤時に打刻が必要と認識しており、本人に不正を働く悪意がなくても、うっかり打刻を忘れてしまうこともあります。

打刻漏れの場合、あとから手書きで出退勤時刻を記入する必要があります。
すぐに気が付けば修正も可能ですが、数日経ってから打刻漏れが発覚すると出退勤時刻を思い出すことも難しく、正確な労働時間の把握が難しくなります。

また、人事担当者が給与計算の集計時に打刻漏れを発見した場合、該当者に確認して修正を依頼するなどの事務負担が増えてしまいます。

打刻漏れを極力減らす方法として、注意喚起の貼り紙や声かけ、打刻機の設置場所の工夫などがありますが、それでも打刻漏れをゼロにすることは難しいでしょう。

打刻忘れについての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>打刻忘れの原因と対策|ペナルティはどこまで可能?

直行直帰やリモートワークに対応できない

タイムカードによる打刻は、所定の場所に設置されたタイムカードレコーダー(打刻機)にタイムカードを挿入して打刻します。
そのため、打刻機のある場所に出勤する働き方が大前提となります。

たとえば、営業担当者などで直行・直帰をする場合には打刻ができないため、自己申告で後日時刻を記入するか、その都度会社に電話をして周囲の誰かに代理打刻を依頼する必要があります。

また、コロナウイルスや働き方の多様化の影響で、近年急増している在宅勤務を行う場合にも、物理的にタイムカードによる打刻ができません。

>>直行直帰とは?労働時間の管理やルールの決め方まで解説

集計・転記の手間がかかる

タイムカードの打刻により記録した出退勤時間は、給与計算のために別紙やエクセルなどに転記・集計が必要です。

日々の時間外労働時間や遅刻や早退による給与控除となる時間を計算するには、担当者が入力内容を集計する必要があり、その作業には多大な労力がかかります。

また、転記ミスや数値の読み違えといったヒューマンエラーが発生する可能性も高くなります。

さらに、タイムカード打刻ではリアルタイムに労働時間を把握できないため、集計時に初めて時間外労働の上限超過が発覚する、ということにも起こり得ます。
こうした事態は、コンプライアンスの面からも好ましくないと言えます。

タイムカードに代わる打刻の種類

タイムカードによる打刻の問題点を踏まえ、近年ではシステムによる打刻を導入する企業が増えています。
システムによる打刻には、さまざまな方法があるため、代表的なものをご紹介します。

web打刻

従業員個人が保有しているパソコンやスマートフォンなどのモバイル端末から、ブラウザにログインをして打刻をする方法です。

打刻にあたって専用の機器等を用意する必要がないため、比較的コストを抑えながら簡単に導入が可能です。
出勤・退勤時刻の記録だけでなく、中抜けした非実働時間の集計も自動で行えます。

パソコンからの打刻であれば会社のパソコンに限定し、スマートフォンを利用する場合はGPS機能を併用することで、不正打刻の防止にもつながります。

ただし、一人一台のパソコン割り当てがない場合や、セキュリティ上スマートフォンを持ち込めない場合にはweb打刻は不向きでしょう。

ICカード打刻(パソリ)

会社で利用している社員証やセキュリティカード、交通系ICカードなどを専用端末にかざして打刻する方法です。

操作感はタイムカードによる打刻に似ているため、利用する従業員にとっては使いやすい方法です。
打刻内容は自動反映・集計されるため、給与計算担当者の負担が大きく軽減されます。

デメリットとして、打刻に利用するカードの紛失リスクがあります。
紛失時は、別のカードを用意して設定しなおす必要があるため注意が必要です。

また、タイムカードによる打刻と同様に、打刻には専用機器が必要です。
機器が設置してあるオフィスへの出勤が前提となってくるため、在宅勤務や直行直帰といった働き方をする社員が多い会社には不向きです。

生体認証打刻

静脈や指紋といった生体認証情報と、専用リーダーを使って出退勤時間を記録する方法です。

最大のメリットは、他人の指紋や静脈を代わりに使うことはできないため、成りすましによる不正を防止できる点です。
また、打刻にカードは不要なため、カードの紛失リスクも回避できます。

一方で、指紋認証の場合、指を怪我したり手荒れで指紋が読み取れなかったりする場合には、エラーとなってしまいます。
生体認証のみに頼るのではなく、利用できない場合の代替手段の確保も必要です。

顔認証打刻

社員証の写真や専用に撮影した顔写真の画像データを登録し、専用端末にかざした顔との一致を確認して打刻を行う方法です。

生体認証のひとつでもあるため不正打刻を防止できる点と、カードの紛失リスクがない点がメリットです。

近年の顔認証システムは精度が高く、化粧や眼鏡の有無に関係なく検知が可能です。
中にはマスクをしたままでも認証可能なものも開発されています。

また、顔認証で本人確認をするだけでなく、サーモグラフィによる体温測定ができたり、表情や顔色から体調・気分を判定したりといった高度なAI機能を備えるシステムもあります。

ログオン・ログオフ打刻

各従業員のパソコンのWindowsログオン・ログオフ時間を自動で出勤・退勤時刻として記録する方法です。

専用の端末を用意したりブラウザ上で打刻操作を行ったりする必要がなく、パソコンを起動して業務を始めれば良いだけなので、打刻漏れを防ぐことができる点がメリットです。

一方で、パソコンの利用を前提としない働き方の場合には適してないでしょう。
また、中抜けしていてもパソコンが起動している限りは勤務時間と判定されてしまう点や、Macのパソコンではログ取得機能がない場合が多い点にも注意が必要です。

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おすすめの勤怠管理打刻システム5選

KING OF TIME(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)

KING OF TIMEは、多様な打刻方法を備え、実績と信頼十分の勤怠管理システムです。

web打刻、ICカード打刻、生体認証打刻といったメジャーな方法から、カラーコード打刻などのユニークな方法まで豊富な打刻方法から選択可能です。

多様な働き方に柔軟に対応し、自社にマッチした運用方法を選択できる点もポイントです。
また、英語表示や海外タイムゾーン切替もできるため、グローバル企業にもおすすめです。

機能が多いために導入や操作に不安がある場合でも、専門のサポートも用意されており手厚いフォローが受けられます。

jinjer勤怠(株式会社ネオキャリア)

jinjer勤怠は、「人事業務をラクに、シンプルに」をスローガンに、バックオフィス業務の効率化を支援するクラウドサービスのうちの勤怠管理システムです。

パソコン、スマートフォン、タブレットだけでなく、AppleWatchからも打刻が可能な点が特徴のひとつです。

また、GPS機能で打刻した場所を確認したり打刻時にカメラを起動したりといった方法で、不正打刻を防ぐこともできます。

e-就業OasiS(株式会社ニッポンダイナミックシステムズ)

e-就業OasiSは、メーカー設定型の勤怠管理システムです。
メーカー設定型とは、初期設定を自社ではなくメーカーが実施するものです。

勤怠管理システムを初めて導入する場合や、多様な雇用形態・勤務形態を採用している場合などでも、カスタマイズの自由度が高く、フレキシブルに対応できます。

打刻方法もICカード、生体認証、入退室データなどさまざまな方法を備えているため、安心して利用できます。

勤労の獅子(エス・エー・エス株式会社)

勤労の獅子は、1,000以上のシフトに対応し、オプション機能を組み合わせることによって自社の勤務形態に沿った運用が可能な勤怠管理システムです。

変形労働制やフレックスタイム制だけでなく、管理項目を拡張して自社特有の手当を自動計算することも可能です。

自動集計した勤怠データは、主要な給与計算ソフトにデータ連携ができるため、勤怠管理だけでなく給与計算までをトータルで自動化・効率化できます。

打刻方法も、打刻機を使うものやWeb打刻やICカード、指認証や他社アプリとの連携などが用意されています。

ジョブカン勤怠管理(株式会社Donuts)

ジョブカン勤務管理は、豊富な機能と万全のサポート体制に加え、必要な機能を単体で利用することでコスト削減が図れる勤怠管理システムです。

打刻方法としては指静脈認証打刻やICカード打刻、GPS機能などを備えており、複数拠点での打刻を本社にて一括で確認・管理が可能です。

出勤時刻に打刻がない場合や、実際に打刻された勤務日数と勤務予定日数が一致しない場合に、アラートメールが通知されるため、打刻漏れや集計ミスを防止できます。

出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理、工数管理の4つの機能から必要な機能のみを選択して組み合わせることができるため、真に必要な機能に絞って低価格で導入可能です。

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自社に必要な打刻方法を備えた勤怠管理システムを探すには

働き方改革により、残業時間上限の設定や有給休暇取得義務化など、企業の勤怠管理の重要性は増しています。

従来のタイムカード管理では、人事担当者の負担が増すばかりであり、勤怠管理をはじめとする人事業務の効率化は避けて通れなくなっています。

さまざまな打刻に対応した勤怠管理システムを導入することにより、タイムカードによる勤怠管理の問題点を解決し、人事業務の効率化を実現できます。

導入にあたっては、自社の就業規則や勤務形態を踏まえてどの勤怠管理システムを導入するかを選ぶ必要があります。

「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」であれば、詳細な条件を指定して自社にマッチングする勤怠管理システムを探し出すことができます。

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