休暇制度のひとつである半休。日頃、気軽に午前休や午後休を使っていても、制度内容について正しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、「半休とはどのような制度なのか」「半休の定義や対応方法」「有給休暇との違い」「法的な決まりや労働基準法との関係」などを、わかりやすく解説しています。

半休制度を導入するメリットやデメリットも整理しているので、ぜひご参考にしてください。

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そもそも半日休暇とは

まず、「半休」という制度について、基本を確認しましょう。半休とは半日休暇の略です。

みなさんが「半休」と聞いてイメージするのは、役所や銀行の用事や通院などで「午前中に半休いただいて午後から出勤します」「家庭の事情で午後から半休で帰ります」という柔軟な目的で利用できる休暇制度だと思います。

半休は休暇制度の一つで、法律で定められているものではありません。運用方法や内容は企業が決めますが、従業員にとって公平な制度になるように配慮することが大切です。

半休の定義は企業が自由に定めることができるので、企業によって午前に半休を取得した場合と、午後に半休を取得した場合で、休暇の時間が異なる場合もあります。

厚生労働省は半休に関して、「企業は労働者に半日単位で付与する義務はない」「半日単位で付与することを禁止しない」としています。

ポイントの整理
  • 半休の取得条件は、会社の就業規則によって決めることができる。
  • 原則、半休に法的な拘束力はない。
  • 「上司が取得できるかどうか判断する」「1日に半休制度で休む人数は◎名まで」などと就業規則に記載し、制限を設けることが可能。

半休には種類が複数ある

実は半休は、労働基準法などで法的に義務づけられた制度ではありません。

法律上の定めがあるのは、1日単位の年次有給休暇と、2010年4月からスタートした時間単位の有給休暇。そして、介護休暇・看護休暇・生理休暇の時間単位取得です。

これら法的な義務がともなう有給や時間休と、今回解説する法的な拘束力のない企業独自の半休制度は、似て非なるものなので、それぞれ区別して理解してください。

法的に認められている半休

ここで法的な拘束力がある半休について整理しておきます。

年次有給休暇の0.5日消化

まずは、年次有給休暇を小分けで取得するケースです。

年次有給休暇は条件に当てはまるすべての労働者が取得できる権利です。

この年次有給休暇は、1日単位の取得が基本ですが、就業規則により時間単位や半日単位での取得を認めることも可能です。

「用事があり休暇が欲しいが、アポをずらせないから午前だけ休みたい」という時に、年次有給休暇を「0.5日」消化するパターン。半休として認めるかどうかは企業の自由ですが、年次有給休暇を時間単位取得した場合、無給扱いにすることはできないので注意してください。

看護休暇、介護休暇、生理休暇の時間単位取得

看護休暇介護休暇生理休暇は、法律で決められている法定休暇。要件に当てはまる労働者から取得希望があったら、必ず取得させなければなりません。

この3種類の休暇は、時間単位で取得することができるもの。「看護のために午前中だけ、看護休暇を取得したい」と申し出があったら、企業は半休を与える義務があります。

例えば、介護休暇だと高校生の息子が通学中に車にひかれて入院してしまった、と言う時でも当日の電話連絡で介護休暇を取得することができます。

時間単位の取得もできるため、午前中に対象者の面倒をみた後、午後から出社することが可能です。

このように法的に認められている半休については、企業独自の半休制度を設けていない会社であっても、法定休暇の時間単位取得は、認めなければなりません。

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半休

半休と労働基準法

それでは、今回のテーマである、企業独自の半休制度について、くわしく見ていきましょう。労働基準法などで義務付けられていない休暇のため、基本的なルールは会社側が自由に決められます。

大きく分けると次のどちらかのパターンで、半休制度を導入することになります。

  • 年次有給休暇を、時間単位で消化することを半休制度とする(有給扱い)
  • 年次有給休暇と別に、半休制度を新設する(無給扱い・有給扱いは自由)

半休と遅刻や早退の違いは、欠勤扱いになるかどうかが一番大きいでしょう。

欠勤扱いだと、有給休暇の取得条件である全勤務日の8割以上出勤と言うルールからはみ出てしまいます。会社によっては、ボーナスや皆勤手当が受けられなくなる可能性があります。

半休の時間計算

半休の時間計算はどのようにすれば良いのでしょうか。大きく3つのパターンに分かれます。

勤務時間 8:00〜17:00(休憩12:00〜13:00)の場合で、解説します。

午前と午後で分ける

■午前半休/8:00〜12:00

■午後半休/12:00〜17:00

昼休憩を起点に分ける

■午前半休/8:00〜12:00

■午後半休/13:00〜17:00

勤務時間で分ける(例:4時間など)

■午前半休/8:00〜12:00(休憩なしで4時間)

■午後半休/12:00〜17:00(休憩あり)or 13:00〜17:00(休憩なし)

半休は有給?無給?

半休制度で有給にするか無給にするかは特に法律的に決まりはなく、有給にするか無給にするかは会社の判断で決めることができます。

労働基準法には、ノーワークノーペイの原則があり、働いていない時間は給料を支払う必要はありません。

したがって半休で休んだ分の時間は、給料から引く事が可能で、半休制度を導入するにしても無給でする場合が多いです。

基本的には無給扱い

半休制度は、特に労働基準法等で会社に義務付けられている制度ではないので、導入されるとすれば無給扱いの場合が多いです。

無給扱いの休暇なら、欠勤と変わらないじゃないかと思われるかもしれません。しかし、休暇と欠勤は違うので欠勤扱いにはならないことは重要なポイントです。

欠勤扱いされないと、皆勤手当がもらえる可能性や、ボーナス査定に悪影響がないことにつながります。

また、有給休暇の取得条件は全労働日の8割。半休は欠勤ではないので、有給もちゃんともらえることがポイントです。

有給扱いにする企業も

年次有給休暇とは別に、年間で数日の半休制度を有給扱いで与える企業もあります。

このように福利厚生を充実させることで、社員のモチベーション向上にも繋がり、優秀な社員が流出することを防ぐことも期待できます。

社員から良い会社だと思われる事が、結果的に会社の利益に繋がっていくものです。

また、どこかのメディアに取り上げられれば会社のイメージアップにもなりますし、優秀な学生が就職活動の際に希望先の上位にしてくれる事もあります。

ポイント

半休のメリット、デメリット

半休制度にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット:ワークライフバランスの充実

半休制度のメリットは、従業員のワークライフバランスを充実させることで、満足度向上につながることです。

夕方からスポーツ観戦や映画鑑賞へ行くために半休で帰ったり、家族の用事や買い物で午前に半休を使えたりと、メリハリをつけて働くことができます。

また業務上、丸1日休むことは難しくても、半休であれば取得しやすくなる人も多いはず。心理的なハードルを減らすことで、遠慮してなかなか休暇を取得しない人も、半日なら取得しやすくなる可能性があります。

このように、従業員にとって働きやすい環境を整えると、離職率も低くなり、優秀な社員が会社に定着してくれるようになります。

また、働きやすい職場であるイメージが広がると、新卒で良い人材が入ってきたり、他の同業他社から転職で入ってくることもあるでしょう。

デメリット:管理が煩雑になる

半休制度のデメリットは、管理が必要になることです。

半日分の給与控除計算や、休暇の残数の確認など、これまでなかった管理が発生するので、勤怠管理を担当する部署は、大変かもしれません。

午前と午後に分けると、勤務時間が長い時間帯と短い時間帯が出てきて不公平感が生じてしまうことも。そうならないように、時間単位で取得できるようにすることも可能ですが、そうなるとさらに計算がややこしくなります。

アナログな方法で、半休制度を管理する場合は、人事部の負担や上司の管理など、社内運用のルールをしっかり考えておきましょう。

半休の柔軟な取得や運用をお考えであれば、クラウドの勤怠管理システムの導入を検討し、管理を自動化することも検討してみてはいかがでしょうか。

給与控除の計算の自動化はもちろん、有給休暇の残数や有効期限のアラートを、自動で従業員へお知らせする機能など、便利なシステムが多数リリースされています。

半休

半休を導入する注意点

半休を導入するなら、以下の内容に注意しましょう。

半休の残業の取り扱い

有給休暇を半休として午前中だけ取って、午後から働いた場合は残業に要注意です。

有給休暇を例えば4時間午前中に取得した後に、午後から出勤して5時間働くと9時間働いたと言うこととみなされます。

働いた時間自体は5時間なのですが、有給休暇は働いたとみなしている時間帯ですので合わせた時間が8時間を超えると残業代が発生します。

有給休暇を半日の4時間とった後に、ここから5時間働いたにもかかわらず残業代が出ていないと労働基準法違反となるので要注意です。

このようなトラブルを避けるためにも有給休暇の半日での取得は認めないと言うことに決めたい所ですが、法改正により有給休暇を労働者が希望したら時間単位で与えなけれなならなくなりました。

時間単位の有給休暇は、法律上では年間5日分までと決まっているので、それ以上の時間単位の有給休暇の取得は認めないと決めるのも一つの手でしょう。

無給の半日休暇だとこのような事はありません。無給の半日休暇で4時間働いた後に5時間働いてもその日は5時間しか働いていないと言うことになります。

ただし、6時間以上働くと休憩時間を入れなければなりませんので、午後から6時間以上働く場合はどこかで休憩をしなければなりません。

フレックスタイム制や裁量労働制の半休

フレックスタイム制や裁量労働制の半休はどのようになるのでしょうか。

フレックスタイム制というのはコアタイムとフレキシブルタイムがあり、コアタイムは必ず出勤しなければいけない時間です。

フレキシブルタイムは出勤しても出勤しなくてもどちらでも良い時間帯です。

フレックスタイム制で半休制度を導入しようとすると、コアタイムの時間帯の扱い方がポイントとなってきます。

例えばコアタイムが4時間あると、半休制度を利用すると最初から最後の2時間を休めると言うことになります。

しかし、フレックスタイム制はもともと自由な時間で働ける制度ですので、半休制度の導入はあまり意味の無いものかもしれません。

同様の事は裁量労働制についても同じことで、裁量労働制というものは簡単に説明すると働いた時間ではなく、会社から与えられた課題を終わらせたら1日分の給料、と言う制度です。

しかし裁量労働制の場合は、常に労働基準監督所に実際の勤務時間と会社が指定したみなし勤務時間を提出しなければならないと言う義務があります。

この時に大きな時間の開きがあってはいけませんが、具体的に何時間以内というルールはありません。

いずれにせよ、つまり会社としては普通にやっても10時間かかるようなことを6時間でやるように指示することができないと言うことです。

そこで裁量労働制で、あえて半休制度を使うと言うことになれば、その会社が与える課題を普段の半分にすると言う事は可能です。

その場合は、普段のみなし労働時間が8時間の所を4時間にするという事になるでしょう。

厳密に言えば半休制度とは少し違いますが、裁量労働制で半休制度のようなことを導入しようとするならばこのような事になります。

まとめ

この記事では、半日休暇について紹介しました。

半日休暇の制度は特に法律では会社に義務付けられてはいませんが、半日休暇を認めることで社員にとって働きやすい環境を提供することができます。

働きやすい環境は、あの会社は働きやすい会社だと言う噂が広まるきっかけとなり優秀な社員たちが集まってきます。

無給扱いで導入できる休暇制度なので、会社にとっても比較的導入しやすい制度です。

柔軟な半休制度は、従業員の働き方改革に直結するので、会社にとっては費用対効果の高い制度ではないでしょうか。

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