傷病休暇とはどのような制度で、どのような人が対象となり、どのくらいの期間与えられるものなのでしょうか。また、労災とはどのように違うのか、気になる方もいると思います。

この記事では、傷病休暇の基礎知識について、わかりやすく解説します。労災との違いと会社側の義務はどの程度あるのかも整理しているので、参考にしてみてください。

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傷病休暇とは

傷病休暇とは、病気や怪我などで長期間働けない時に使える休暇のことです。法律で定められた法定休暇ではなく、特別休暇(法定外休暇)なので、傷病休暇を設けるかどうかは会社次第です。

長期間働けない時に利用

傷病休暇は、一般的には病気やケガにより療養が必要であり、長期間働けない場合に利用されます。

傷病手当金(後述します)の支給要件にならって、就業できない状態が4日以上続いた場合に取得できるという要件を定めている会社が多いようです。ただし、症状が重篤でない場合で1日単位や半日単位での取得を認めても、もちろん差し支えありません。

就業不能とは

就業不能となる病気やケガの状態を、一律に規定することは不可能です。たとえば、足の骨折の場合でも、デスクワークであれば(通勤の問題はありますが)可能かもしれませんが、建設作業や荷物の搬入などはまず無理でしょう。

これが病気となると、外形からは判断しづらい場合が多く、本人の申告内容と業務内容を照らし合わせた上で、医師の診断書等のエビデンスも必要となってきます。

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傷病休暇は特別休暇のひとつ

傷病休暇は、法律で定められた休暇ではなく、特別休暇(法定外休暇)の1つです。特別休暇としてはほかに、年末年始休暇、夏季休暇、忌引休暇などがあります。

特別休暇は、制度として導入するかも含めて、取得要件や期間、有給・無給の取り扱いなど、内容を会社が独自に定めることができます。

対して法定休暇は、制度として就業規則への規定が必要であり、要件を満たした従業員から請求があった場合、会社は必ず取得させる義務があります。その内容についても、法の規定より従業員に不利な内容を定めることは認められません。

法定休暇としては、年次有給休暇のほか、介護休暇、子の看護休暇、生理休暇などがあります。なお、年次有給休暇以外は、導入や付与は義務であるものの、取得時の給与を有給とすることは求められていないため、無給としても違法ではありません。

>>法定休暇・特別休暇の一覧(どのような休暇があるの?)

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傷病休暇には大きく2種類

傷病休暇には、公傷病休暇と私傷病休暇の2種類があります。公傷病休暇は会社の業務に起因する病気やケガによる休暇、私傷病休暇は業務外の病気やケガによる休暇を指します。

公傷病休暇

公傷病休暇は、会社の業務中もしくは通勤中に起きたケガや病気で使用できる休暇のこと。会社は業務上災害による補償として、従業員の療養に必要な費用を負担し、また休業中は平均賃金の60%の休業補償を支払う必要があります。

こうした業務災害補償は、会社にとって非常に大きな負担となるため、通常は加入している労働者災害補償保険(労災)より補償給付が行われることになります。

私傷病休暇

私傷病休暇は、会社の業務もしくは通勤中以外の場でケガや病気をした場合に取得できる休暇です。療養に必要な費用や休業補償を会社が負担する義務はありません。もちろん、従業員の便宜を図って、一部を負担する定めも可能です。

私傷病休暇では休業補償などはありません。そのため年次有給休暇が残っていれば、療養中に有休を消化した方が良い場合もあります。有給休暇が残っていない場合でも、健康保険に加入していると条件を満たせば傷病手当金が支給されます。

最近では、失効年休積立休暇を私傷病休暇として利用する事例が多くなっているようです。

>>失効年休積立休暇とは?有給制度内容や日数についてわかりやすく解説

傷病休暇と有休の違いは?

傷病休暇と年次有給休暇(有休)の違いは、休暇中の賃金の支払いのほかにも、付与要件や年間の取得義務が規定されている点などが挙げられます。

有休は法定休暇であり、6ヶ月継続して勤務し、全労働日の8割以上の出勤率を満たした労働者に対して、継続勤務年数に応じた日数分が付与されます。

従業員には有休の時季指定権があり、基本的に会社は、指定された時季に有給を取得させることで業務に重大な支障がある場合などに限って、時季変更権を行使して日程の変更を求めることができます(取得そのものの拒否は不可)。

>>労働基準法に違反しない有給休暇の与え方|7つのテーマで丸わかり

>>トラブルにならない年次有給休暇の時季変更権の使い方|強制力はどのくらい?

傷病休暇のルール

傷病休暇に関するルールは会社が独自に定めることができるものの、休暇制度である以上は、就業規則等にそのルールを明記しておかなければなりません。

日数などは公務員を参考にする場合も

傷病休暇の取得可能日数は、国家公務員の病気休暇制度にならって「最長連続90日間」というのが一つの基準となります。

また、傷病手当金の支給期間である「支給を開始した日から通算して1年6ヵ月」まで取得を認める場合もあります。

傷病休暇を申請できる人

申請条件として、年次有給休暇に合わせて入社後6ヶ月経過時点で可能とする場合もありますが、むしろ年次有給休暇が付与されない期間をカバーするため、入社後すぐでも認めるのが無難でしょう。

なお、2021年4月から「パートタイム・有期雇用労働法(旧・パートタイム労働法)」が中小企業にも適用されており、「同一職務内容の正社員と非正社員(パートタイム従業員や有期雇用労働者)の不合理な待遇差を解消すること」が義務付けられました。

この「待遇差」には、特別休暇などの福利厚生も含まれるとされているため、正社員と同一職務内容の非正規社員を、傷病休暇の対象から除外することは避けるべきでしょう。

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傷病手当金とは

健康保険の被保険者が、私傷病による就業不能となり連続3日以上休業が続いた場合、健康保険から傷病手当金が支給されます。連続3日以上(「待機期間」と呼びます)の判断は暦日で行うため、休日や休暇を挟んでも「連続して」3日以上であれば、要件を満たします。

傷病手当金の支給要件まとめ

  • 健康保険の被保険者であること
  • 業務外の病気やケガにより就業不能となったこと
  • 就業不能により連続3日以上休業し、さらに4日目以降も休業すること
  • 休業中は無給であること(報酬等の支払いがあった場合は、支給額を調整)

支給額は以下のとおりで、同一の傷病について最長で「支給を開始した日から通算して1年6ヵ月」まで支給されます。

標準報酬日額 × 2/3 × 待機期間を除いた休業日数

なお、「標準報酬日額」とは「社会保険料決定の基礎になる標準報酬月額の直近12カ月の平均額を、30で割った額」のことです。

傷病休暇を利用する際の注意点

傷病休暇を使用する際の注意点を紹介します。傷病休暇を利用している時でも社会保険や税金は支払わなければなりませんし、傷病手当金が受け取れるとはいえ収入は普段よりは少なくなります。

休職中でも支払われる社会保険料

産休や育休の場合と異なり、傷病休暇中であっても社会保険料は免除対象となりません。よって、休暇中の社会保険料の従業員負担分については、以下のどちらかの措置をとることになります。

  1. 傷病手当金の振込先を会社とし、会社は振り込まれた傷病手当金から社会保険料や雇用保険料を控除して、従業員に差額を振り込む
  2. 従業員に、毎月会社の口座に指定額を振り込んでもらう

労災認定休業とは

会社の勤務中に起きた事故等で労災認定されてしばらくの間休業する場合、休業補償が支払われます。出勤中や帰宅中の事故は通勤災害と認定される可能性があります。なお、外回りの営業の移動中や出張中の事故は、通勤災害ではなく業務災害に含まれます。

通勤災害については、会社に届け出をした通勤ルートから外れた道で事故に遭った場合や、通常とは異なる通勤手段による事故の場合は、労災認定されない可能性が高くなります。

業務中のけがのほか、過労により病気になった場合も労災と認定されることがあります。例えば、気管支喘息や胃潰瘍、うつ病などは、少なくとも発病する1ヶ月間の業務内容で、過度な労働負担があった場合には、業務上災害として認められる場合が多いです。

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傷病休暇の対応は勤怠管理システムで

今回は傷病休暇について紹介しました。傷病休暇を取得する以前に、業務上災害として労災が認められると、治療費が全額支給される上に休業補償があります。傷病休暇は、労災には当たらない程度のケガや病気などで、会社に出勤して業務ができない社員が対象となる制度です。

勤怠管理システムを導入することで、傷病休暇の制度設計に応じた柔軟な勤怠管理が可能となります。

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