最近では、多くの会社やプロジェクトで工数管理が実施されています。ある仕事を終わらせるのに、どれくらいの時間と人員がかかったのか可視化できる工数管理。

複雑な計算や専用ソフトを導入してまで工数管理をする必要性は、どのようなところにあるのでしょうか。工数管理をすると、業務の効率化や、人員を有効に活用が可能となります。

この記事では工数管理によるメリットや、エクセルなどのツールを使った工数管理の活用方法についてわかりやすく紹介します。

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工数管理とは

工数管理とは、ある仕事がどのくらいの人員と時間をかけて完了できるのかを数値化して管理することです。「ある仕事を終わらせるのにかかった時間×人数」という計算式で数値化できます。

この数値が大きいと手間がかかる作業になり、数値が低いと簡単にできる作業となります。数値化することで、人や時間をどこに配置すれば効率よく利益を出せるかがわかるようになります。

また、同じ作業を異なる部署で数値化した場合、数値が低い部署は作業効率が良いことになり、数値が高い部署は作業効率が悪いことになります。このように課題を見つけることにも役立てることができます。

工数管理が必要な理由

工数管理の目的は、「案件やプロジェクトを成功に導くこと」「業務全体を効率化すること」です。

工数管理を行うことで、タスク単位での作業レベル間や必要人数が把握できるため、プロジェクトの予算見積もりや人員配置をより正確に行うことができます。

また、同じタスクに対して複数チーム間で工数に違いが出る場合などは、数値の良いチームの作業工程を分析し、他チームに反映することで業務全体の効率化に繋がることでしょう。

さらに、その作業を完了させたことで生み出される利益について把握していると、人や時間をどこに配置すれば効率よく利益を出すことができるのかもわかるようになります。

例えば工場で、「Aという商品は1時間で製造できて100円の利益がある」とし、「Bという商品は50分で製造できて60円の利益がある」と仮定します。単純に利益が大きいのはAという商品ですが、製造するのに時間がかかる問題があります。

この場合、どちらを重点的に作った方が工場としての利益が多くなるのかを、エクセルの相関関係の機能を使って簡単に導き出すことが可能です。

このように工数管理をおこなうと、人員の配置などで会社の業務を効率化でき、同じ人件費でも大きな効果が得られるようになります。

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工数管理を行なうメリット

工数管理を行うことのメリットは、主に以下の4つです。

  • 生産性が向上する
  • スケジュール管理がしやすい
  • 成果を可視化できる
  • データ蓄積により精度が上がる

生産性が向上する

工数管理を行なうと生産性が向上します。

工数を数値化することで、プロジェクト・業務全体で遅延や停滞を生じさせているいわゆるボトルネックとなっているタスクを洗い出すことができます。

こうしたタスクをシステムにより自働化したり、アウトソーシングしたりすることで、プロジェクトの遅延がリカバリされ、全体の生産性向上に繋がります。

スケジュール調整がしやすい

工数管理をするとスケジュール調整がしやすくなります。

たとえば、ある作業が時間と人員が必要な作業だと判明すれば、その作業をするためスケジュールを調整して人員を多く投入することも可能です。このようなスケジュール調整を適切に実施すれば、人材を有効的に活用できます。

もし工数管理を行なっていなければ、せっかく雇った社員を持て余すことになってしまい、それほど人手が必要のない部門に多くの人員が導入されていたり、本当に人手が必要な時に人がいなかったりする状況もありえます。

なかなか作業の様子を見ているだけでは分からず、実際に数値化してみないと気が付かないこともあるでしょう。

成果を可視化できる

工数管理をすると成果が可視化できます。

工数管理の数値が良いことは、そのチームはその作業において効率がいいことになります。もし同じ会社内の違うチームで全く同じ作業している場合、工数管理の数値の良いチームは作業の仕方や、上司からの指示が的確であったりする場合があります。

成果を見るには売り上げも必要ですが、売り上げは事業の規模などによって異なり、重要なのは費用対効果です。

例えば分かりやすい例を上げると、大きな工場と小さな工場だと、大きな工場の方が当然ながら1日あたりの出荷数は大きいでしょう。しかし、工数管理をしてしっかりと計算すると、小さな工場の方が、かかった金額の割には出荷数が多いこともあります。

操業時間が短い作業場と、長い作業場でも同様のことが言えるでしょう。単純に作業が長いと、完成する量も多いものの、作業効率が良いのかどうかは別問題です。

工数管理をしっかりしておくと、かけた人件費に対してどのくらいの売り上げがあるのかがはっきりとわかるようになります。

データ蓄積により精度が上がる

工数管理を長年やっておくと、データの蓄積により精度が向上していきます。

このような蓄積されたデータにより、この作業はどのくらいの人手と時間をかけて完了させることができるのかが正確に把握できるようになっていきます。

また過去のデータを蓄積しておくことで、全く同じ作業においてある日は工数管理の数値が良く、ある日は工数管理には数値が悪い場合もあるでしょう。

そのような時に「工数管理の数値が良かったのはどのようなことをしたためか」「工数管理の数値が悪かったのは何が原因だったのか」をしっかりと検証することで、その作業における従業員の能力も向上するでしょう。

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工数管理のポイント

工数管理をするには、表計算ソフトであるエクセルを使う方法の他に、工数管理の計算に特化した専用ソフトを使う方法もあります。どのようなポイントに注意して、工数管理を実施すれば良いのかを紹介します。

簡単に入力できる

工数管理を定着させるポイントとして、誰でも簡単に入力できることは重要です。

一般的に工数管理は、プロジェクトに携わるメンバーが、その作業にかかった時間などを日々入力していくものであるため、操作が複雑で難しく、記録が億劫になるようでは意味がありません。

エクセルは、古くからよく工数管理のために使われています。ただし、エクセルは本来表計算ソフトであるため、工数管理をするにはマクロの設定など少しややこしい処理が必要です。

現在は、多機能な工数管理の専用ソフトや工数管理機能を備えた勤怠管理システムも市場に多く登場しており、こうしたソフトを利用したほうが直感的に操作できるため、導入を検討してみても良いでしょう。

必要な機能の搭載

工数管理のソフトを選ぶ際には、必要な機能が搭載されているかどうかもしっかりとチェックしておく必要があります。

エクセルでは、相関分析という機能を使って、費用対効果がどのくらいなのかを調べることができます。相関分析では特定の作業同士を比較して、どちらが費用対効果に優れているのかを求めることが可能です。

勤怠管理システムとの連携機能もあると便利で、工数入力をそのまま勤怠打刻として記録することができれば、二度手間・二重管理を防止できます。

エクセルでは、こうした連携はできないため、一度CSVデータなどに出力したものを、あらためて別システム側でインポートする必要があるのが難点です。

進捗状況の見える化

工数管理ができるソフトによっては、進捗状況がすぐにわかるようにグラフなどにして視覚的に進捗状況が見えやすくできるソフトもあります。

また、ソフトによってはプロジェクト毎や工程毎など、細分化した分析も可能です。このように細かく分析することで、そのプロジェクトにおいて作業効率が悪い原因はどこにあるのかなどがはっきりとわかるようになり、業務改善のポイントがわかりやすくなります。

工数管理のソフトを選ぶ際は、グラフなどにして見やすくできるかどうかも重要なポイントです。

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工数管理の方法

工数管理はエクセルや、プロジェクト管理ツール、勤怠管理ツールなどでも確認できます。これらの工数管理をするのに最適なソフトで、工数管理をする方法を紹介していきます。

エクセル

エクセルは工数管理だけではなく、様々な業務改善をするにあたっての分析ができる表計算ソフトです。そのため、自社に合わせて細かくカスタマイズしたい方に向いています。使い方によっては給料の計算などもできます。

エクセルで工数管理をするには、まず工数管理を計算したいプロジェクトに関わる人数分のエクセルファイルを準備しなければなりません。

その次に各メンバーが自分のファイルに、毎日の作業時間を記入していきます。1ヵ月分の入力が完了したら、管理者が1つ上のシート上にすべてのデータをまとめ、別シート上でピポットテーブルを作成しなければなりません。

そのピポットテーブルにある値の欄に、その月の1日から月末までのデータを登録していくことで工数管理ができます。

さらにその月の1日から月末までの勤務時間が表示され、各メンバーの1日あたりの勤務合計8プロジェクトにかけた時間が表示されるのでそこから工数管理が可能です。

ただし、エクセルはあくまでも表計算ソフトであるため、複数人が同時にアクセス・編集を行う使い方は向いておらず、データの整合性が取れなくなったりデータ破損のリスクを抱えている点には注意が必要です。

プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ツールは、エクセルと違って工数管理をするための専用のソフトなので、操作が簡単でわかりやすく、その他にも便利な機能なども搭載されています。

さらにプロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握もでき、プロジェクトビューも様々な方法があり、分かりやすく工数管理が可能です。

例えばプロジェクト管理ツールの1つであるWrikeでは工数管理のためのデータ入力を既存のツールと連携して反映できるため、同じデータを複数のツールに入力する必要がありません。

さらにプロジェクトを可視化できるため、わかりやすく工数管理ができます。納期に対する進捗状況だけではなく工数や原価に対しての達成度も把握可能であり、チャット機能でチーム作りに必要なコミュニケーションをソフトの中で完結も可能です。

勤怠管理システム

勤怠管理システムの中にも、工数管理ができる仕組みが備わっている製品があります。

勤怠管理システムは、従業員の出勤時間と退勤時間を入力することで、給料や残業時間の計算などを自動化するためのソフトで、この入力データをもとに工数管理も行うことができます。

ある社員の勤務時間のすべてをそのプロジェクトにかけているのであれば、勤怠管理ソフトで登録された時間はすべてその作業にかけていた時間になります。

さらにそのプロジェクトに関わっている人全員の人数も合わせれば、勤怠管理システムに特別な機能が搭載されていなくても正確に工数管理の数字を出すことが可能です。

製品の中に工数管理機能が組み込まれているものから、同じ会社が提供している別の工数管理システムと自動連携できるものまで、さまざまな態様のシステムがあります。

工数管理は勤怠管理システムがオススメ

工数管理は、あるプロジェクトにおける作業効率の良さなどを数値化して検証できるものです。工数管理の数値が良くないところは改善の余地があることになり、一部の作業を機械化するなどの対策が必要となってきます。

また、同じ作業であってもチームによって工数管理の数値に差がある場合は、工数管理の数値が良いチームと悪いチームを比較して、どのように違うのかを検証すると会社全体としての作業効率も上がることでしょう。

工数管理可能な勤怠管理システムを導入することで、勤怠管理と工数管理の二重管理を防ぎながら、より効率的に生産性の向上が図れます。

「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」をご利用いただくと、工数管理に必要な要件を満たしている勤怠管理システムの中から、自社に最もマッチングするシステムを探し出せます。

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