最近Twitterのトレンド上昇で話題になった生理休暇。

実はその原型は戦前の1917年からあったのはご存知でしたでしょうか。

有給休暇との違いや有給・無給の違いなど、生理休暇について徹底解説します。

生理休暇とは

生理休暇の原型は戦前の1917年の全国小学校女教員大会にて提起された「生理的障害」問題から取り上げられていました。

月に1回健康な女性なら誰でも来る体調不良に対して、しっかりと対応しようという取り組みです。

その後、1931年12月、千葉食糧研究所女子従業員が日本初の生理休暇(有給5日)を取得しました。

戦後まもなくはGHQからの男女が不平等になるという反対により廃止されそうになりましたが、市民団体の活動もあり、そのまま戦後も引き継がれて今に至ります。

最近は生理痛の良い薬も出てきた事もあってか、ほとんど取得する女性もいなくなり、忘れられた存在となってしまいました。

生理休暇というものがあった事も、知らない人も多いのではないでしょうか。

労働基準法では

労働基準法では第68条にこのように定められています。

「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」

つまり有給か無給かは明記されておらず、どのくらいの期間与えるのかも明記されておらず、生理痛の度合いも著しく困難な場合にのみに限られています。

生理に限らず、体調不良であれば大体の会社では休ませてもらえるので、その中に紛れてしまい、生理休暇という休暇が忘れられてしまったのです。

多くの女性は生理のためとは言わず、体調不良で休むと伝えていることも生理休暇が忘れ去られた一因でしょう。

生理による体調不良の時は休ませなければならないことが書かれてあるだけで、生理休暇をどう扱うは完全に会社の裁量次第です。

生理休暇は、当日突然つらくなっても電話で伝えることで休めるため、事前に申し出ておかなければならない有給休暇とはこの点で異なります。

生理休暇の日数

生理休暇の日数は会社次第です。

有給の生理休暇を認めている場合は月に2日までは有給、3日目以降は無給ということができます。

もちろん、生理休暇と有給休暇を組み合わせて長めに休むことも可能です。

さらに、生理休暇で休んだ日を出勤扱いにするかどうかも重要です。

この事がどう関わってくるかというと、有給休暇の取得条件に全労働日の8割以上出勤しているというものがあります。

つまり生理休暇で休んだ日を出勤扱いにしないと有給休暇が取得できないという事になるのです。

生理休暇

生理休暇は有給?無給?

生理休暇は有給にするべきなのでしょうか。それとも無給にするべきなのでしょうか。

有給にした場合、無給にした場合それぞれどうなるかを紹介します。

無給でも会社は違法ではない

労働基準法の第68条では「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」とだけ書かれています。

つまり、無給でも会社は違法になりません。

違法でないため、無給にしている会社もありますが、生理休暇を有給にすると様々な弊害が予想されます。

生理休暇を有給にすると、女性には優しい職場となりますが、男性社員からは不公平感が出てくるのは避けられないでしょう。

ならば男性にも月に1度有給休暇を与えようという事にしても、男性は元気なのでどこかに遊びに行けるという事に対して、女性は体調不良で家で寝込むという状況になります。

つまり、生理休暇を有給にすると、どうシステムを変えても不公平感は出てきてしまい、どこで折り合いをつけるか調整が重要になってきます。

どう折り合いをつけるかは会社の業務内容や男女の比率により異なる事です。

例えば、サービス業や女性向け製品の開発現場など女性社員の活躍が会社の業績に直結するような会社であれば、多少女性を優遇していても不満のある男性社員は少ないでしょう。

また、女性向けのエステ店などは、現場で実際に動くのは女性社員で、男性社員は女性社員のサポートに徹するという構造です。

このような構造の会社は他にもありますが、そのような会社では多少女性社員を優遇しても男性社員からの不満は少ないでしょう。

一方で、男女で仕事内容に関係のない、例えば事務職のような仕事であれば、男女の待遇に違いを出していれば男性社員からの不満が出てくる可能性が高いです。

このように会社の業務内容や男女比率によって生理休暇は有給なのか無給なのか、有給だとすればどのくらいなのかというちょうどいいラインを見つける事が重要です。

有給期間の回数も会社次第

生理休暇を有給にした場合も、どのくらいの回数を有給にするかは会社が自由に決められます。

有給期間を長くすると女性にとっては嬉しいですが、やはりこれもあまり長くしすぎると男性社員は不公平感を感じてしまいます。

さらにここでポイントなのは、有給の生理休暇の期間は出勤扱いされるのかどうかです。

生理休暇を出勤扱いされないと、年次有給休暇が取得出来ないという事もありえます。

女性社員は有給の生理休暇を認めるものの、出勤扱いとはしないので取りすぎると有給休暇が取得出来なくなる、という事も男女の社員を平等に扱うひとつのラインかもしれません。

他にも男女平等のちょうどいいラインとしては、生理休暇は無給であるものの、出勤扱いにするという事にするのもひとつのやり方で、実際に多くの企業はこのようにしています。

生理休暇の取得率

生理休暇は昭和40年の高度成長期には26%でしたが、近年では1%を切っておりほとんど取得されておりません。

これは様々な原因が考えられますが、生理痛に効く良い薬が出てきたことで、生理痛が労働基準法に定められている「就業が著しく困難な状態」になかなかなりづらいというのが1番の原因でしょう。

ほとんど取得されるていない

生理休暇は現在ではほとんど取得されていません。

良い生理薬が出てきた事ももちろんあるのですが、その他に生理日を知られるのが嫌だという人や、生理休暇を取得したいと言いづらい雰囲気がある事も理由として挙げられます。

女性社員がよく体調不良という理由で休んでいる会社も多いのではないでしょうか。

女性社員が言う「体調不良」には、熱があったり風邪をひいたりしている事もありますが、生理痛の時も体調不良と言っているケースもあります。

男女の雇用機会を平等にするべきだというなどに流れの中で、女性に対して毎月特別扱いをしているとも言われかねない生理休暇はなかなか取りにくくなっています。

これは生理休暇を取得した社員に対して、周りの人が色々と言うということではなく、他の社員から色々と言われるんじゃないかと本人が思ってしまうことがひとつの原因です。

女性も活躍できる社会が、生理中でも乗り越えて男性並みに仕事をする事だと考える女性が生理休暇を遠慮し始めたのです。

このような事を考える社員が、男女の雇用機会を均等にするべきだという動きが活発になった80年代頃から出てきて、現在では存在自体がすっかり忘れられてしまったのです。

男女の雇用機会が均等になったとはいえ、体の構造は女性と男性で違うので、無理して男性のようになる必要はありません。

女性と男性を完全に平等にするのは、生理や妊娠がある以上無理がある事なのです。

女性には女性の役割があり、男性は男性の役割があり、それぞれの得意分野を活かす事を目指すというのが、戦前に制定された生理休暇の目的でした。

女性らしい働き方を尊重するために、制定されたのが生理休暇ですので、積極的に活用していきましょう。

取得しすぎると有給がなくなる可能性

有給休暇の取得条件に全労働日の8割以上出勤というものがあります。

生理休暇を出勤扱いにしないと、有給休暇を取得するための条件を満たさなくなるので 、有給休暇の取得ができない可能性があります。

有給の生理休暇であれば、出勤扱いにしないことは、男女の社員を出来るだけ対等に扱うためにアリなのかもしれません。

しかし、無給の生理休暇も出勤扱いしないことは、ただの体調不良による休みと同じで、生理休暇の意味がなく、女性社員にとっては不公平なことでしょう。

とはいえ労働基準法としては、生理休暇を出勤扱いにするかしないかは特に明記されていません。

有給休暇との棲み分けをどうするかは会社の裁量によるもので、出来るだけ多くの社員が不満に思わないような制度にしておく必要があります。

職種による生理休暇

職種による生理休暇の違いはあるのでしょうか。

パートタイムやアルバイト、契約社員に関わらず生理休暇は取得できます。

職種による違いは会社によって異なり、同じ職種でも会社が違うと全く違った内容になります。

公務員

国家公務員、地方公務員は人事院の規定により、無給による生理休暇が認められています。

ただし、取得率は非常に低く、全国で1%を切っています。

地方の田舎の方にある出張所のような所だと、職員が1人しかいないところもあり、生理痛であってもなかなか休みづらいという事情もあるでしょう。

職員が1人の現場では、休んでしまうと通常の業務が行われなくなり、多くの人に迷惑がかかる事もあり、多少の体調不良でも無理して出勤してしまいがちです。

生理休暇は取得しづらい状況でありますが、国の法律で認められているので公務員であっても権利はありますので、申請すれば生理休暇を取ることは出来ます。

男性比率で男性の多い職場

IT系企業で、ネットワークシステムなどを構築している会社では、男性の比率が多いという職場も珍しくありません。

プログラマーが多く、女性が少ない職場では、数少ない女性を大事にするために、有給の生理休暇を認めている会社もあります。

女性が多い職場だと、みんなが生理休暇を取ると休みばかりになってしまうので、女性が少ない職場の方が導入はしやすいということでしょう。

女性が多い職場と言っても、女性向けエステ店のような女性が現場に出て活躍するような構造の職場だと、女性を特別扱いしても男性社員からの不満はほとんどありません。

女性社員が少ない職場の男性社員としても、女性社員の数が少ないので、大事にしたいと思っており、不公平だと騒ぐなどのトラブルはあまりありません。

他にもサービス業や、金融機関などの受付など、女性が対応した方が、サービスが良いという職種もあります。女性社員のニーズがある職場では女性新入社員を呼び込むための策として、生理休暇を導入していることを積極的にアピールする企業もあります。

そのような女性社員のニーズがある職場にいる男性社員は、女性社員の重要性は理解しているので、少々女性の方が手厚い福利厚生であっても不満を言う社員は少ないことでしょう。

このように有給の生理休暇は女性社員を大事にする職場では、導入しても大きな問題になることは少ないです。

女性社員を呼び込みたい会社は有給の生理休暇の導入を検討してみても良いかもしれません。

生理休暇

生理休暇のトラブル、対処法

生理休暇はすっかり忘れ去られた制度であり、詳しい仕組みを知らない人も多いせいか、トラブルになることもあります。

トラブルを防ぐためには医者の診断書を見せるのが良いのですが、生理休暇を取得する時は医者の診断書は必要ありません。

そのため、本人の自己申告を信用するしかないのですが、ここにウソがあると色々なトラブルに発展していきます。

しかし、生理休暇を取るこよ自体が珍しいため、あまり多くはありません。

悪用

生理は健康で妊娠をしていない女性であれば、毎月必ずやってくるものです。

そのため生理休暇を積極的にすすめている会社では、その事を利用して毎月一定数休むという女性社員も中にはいます。

過去に裁判になった例として、生理休暇を取得した女性が、車で4時間の遠方に出向き、結婚披露宴で民謡を披露したということがありました。

この場合は判決により懲戒免職となりました。

朝は体調悪くて午後から治ったという場合でも、生理休暇は当日連絡で時間単位で取得する事も出来ます。

とはいえ、ただの寝坊の言い訳を生理休暇だと言っているんじゃないかと思われる事もあるでしょう。

寝坊した事の言い訳だと思われないように、いつもの出勤時間よりも前の時間に連絡する事が重要で、今から出勤すれば間に合うという状況で電話する事が重要で、上司の携帯電話に着信を残すだけでも効果的です。

出社しなければならないギリギリの時間に連絡すると、寝坊した言い訳だと思われても仕方ないでしょう。

著しく困難な場合に限るという規定

労働基準法では「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」とされています。

この「著しく困難」というのが微妙なところで、どの程度が著しく困難なのかが分かりにくいことです。

最近では生理痛を抑える良い薬も出てきていることから、少々つらくても仕事に向かう人が増え、結果的にほとんど生理休暇は取得されなくなりました。

生理休暇は国によって法律で認められていることなので、遠慮せずに取っていきましょう。

生理の事が恥ずかしいから体調不良と言ってしまいがちですが、体調不良で休むのと整理休暇で休むのは全く異なります。

生理休暇の方が、理解もしてもらえやすいですし、出勤扱いとしてくれたりするので、生理の場合は正直に答えた方が良いでしょう。

生理休暇は忘れがちですが、会社の就業規則にも書いておくことで、直属の上司に話した段階ですぐ伝わるようにする事が出来ます。

また、突然体調不良になった場合はどうしようもないですが、有給休暇も積極的に利用しても良いでしょう。

有給休暇は2年経つと権利が消えてしまうので、ちょっとした体調不良であっても使った方が良いです。

まとめ

生理休暇について解説しましたが、無給でなおかつ出勤扱いにならないのであれば、生理休暇という制度の意味はほとんどありません。

生理休暇を導入すると男性社員からは不公平だと言われるかもしれませんが、無給だけど出勤扱いにはするということだと理解は得られる可能性は高いです。

生理のつらさ男性にはなかなか分かり辛いですが、生理休暇を推奨して女性が働きやすい職場を目指しましょう。