22時から翌5時までの労働を「深夜労働」と呼び、通常の時間外割増賃金とは別に「深夜割増賃金」を支払う必要があります。また、18歳未満の年少者や妊産婦など、そもそも深夜労働が制限される労働者も存在します。

この記事では、深夜労働に対する基本的なルールから、例外規定は存在するのか、他の割増賃金と重複した場合の計算方法など、押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

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深夜労働とは?

22時から翌5時までの労働を指し、労働時間の「長さ」ではなく「時間帯」に着目した規定です。

(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条
④ 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

労働基準法第37条4項|法令検索e-Gov

なお、条文中に「厚生労働大臣が必要であると認めた地域又は期間については午後11時から午前6時まで」という文言がありますが、これは終戦直後のサマータイムに対応した記述であり、実際の適用例はありません。

深夜労働には深夜割増賃金が必要

深夜労働に対しては、25%以上の深夜割増賃金の支払いが必要となります。

深夜割増賃金は労働時間の長さに関係なく発生し、シフトなどの夜勤の場合は実労働時間が法定時間内であっても、深夜割増賃金は必要です。また、時間外労働が深夜に及んだ場合は時間外割増賃金に加えて深夜割増賃金も必要となります。

深夜労働が制限される労働者・その1|年齢(18際未満)による制限

労働基準法により、年少者(18歳未満の労働者)は、原則的に深夜労働に従事させてはいけません。ただし、交替制勤務(同一労働者が一定期日ごとに昼間勤務と夜間勤務とに交替につく勤務体系)に従事する満16歳以上の男性に限り、深夜労働が認められています。

さらに、例外として地震や津波に伴う災害を受け、復興に向けて一時的な労働が必要な場合、期間や労働地域を限定した条件付きで、23:00~6:00までの深夜労働が可能となります。

また、労働基準監督署の許可を受けて例外的に労働が認められている13歳以上の「児童」については、20時から5時までが「深夜労働」に該当するため、この時間帯に労働させることはできません。

ただし、芝居や舞台に出演しているいわゆる演劇子役の場合は、個別に労働基準監督署の許可を得ることで、上記の深夜労働の時間帯を「21時から6時まで」とすることが認められており、21時までは出演が可能となります。

深夜労働が制限される労働者・その2|女性に対する制限

妊産婦(妊娠中または産後1年を経過しない女性)から請求があった場合は、深夜労働をさせてはいけません。

また、女性に深夜労働を命じる場合、安全性の確保や各家庭の事情を考慮した対応が必要です。就業に際しては「送迎バスの運行や防犯ベルの貸与」「男女別の仮眠室の設置」「健康診断の実施」などの措置を講じるべきとされています。

深夜労働が制限される労働者・その3|育児・介護に対する制限

未就学児を養育する労働者または要介護家族を介護する労働者から、その育児・介護のために請求があった場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、深夜労働をさせてはいけません。この制限については、対象従業員の男女の別を問いません。

ただし、以下の労働者については、深夜労働拒否の請求はできないとされています。

  1. 継続雇用期間が1年に満たない従業員
  2. 深夜にその子を保育、またはその家族を介護できる他の同居家族がいる従業員
  3. 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員
  4. 所定労働時間のすべてが深夜に設定されている従業員

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深夜割増賃金の計算方法

深夜労働に対しては、時間分の基礎賃金に割増率25%以上の深夜割増賃金を加算した賃金を支払うことになります。

基礎賃金の計算方法

基礎賃金の算出方法は、以下のように給与体系によって異なります。

給料制計算方法
時間制その金額
日給制その金額を一日の所定労働時間数で割った金額。但し、日によって所定労働時間数が異なる場合には、1週間における1日の平均所定労働時間数で割る。
週給制その金額を週の所定労働時間数で割った金額。但し、週によって所定労働時間数が異なる場合には、4週間における1週の平均所定労働時間数で割る。
月給制その金額を月の所定労働時間数で割った金額。但し、月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1月の平均所定労働時間数で割る。
週、月以外の期間によって定められた賃金その金額をその期間の所定労働時間数で割った金額
出来高払制等賃金締切期間の賃金総額をその期間の総労働時間数で割った金額
基礎賃金の算出

月給制における「月の平均所定労働時間」は、「年間の所定労働日数 ÷ 12 × 1日の所定労働時間」で求めます。

また、労働の対価ではなく個人の環境や事情に応じて支払われている以下の手当や賞与などは、基礎賃金の計算から除外します。

  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 住居手当
  • 子女教育手当
  • 臨時手当
  • 賞与・ボーナスなどの名目で1ヶ月を超える期間ごとに支払われる手当

時間外労働や休日労働と重複した場合は?

割増賃金としての趣旨が異なるため、時間外労働や休日労働と深夜労働が重複した場合は、それぞれの割増賃金を合算して支払う必要があります。

法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える時間外労働と深夜労働が重複した場合は、「深夜残業」と呼ばれることもあり、時間外割増賃金の25%以上と合わせて50%以上の割増賃金が必要となります。

また、時間外労働が月60時間を超えた場合、超えた時間分の割増率は50%以上としなければならないため(中小企業は2023年4月から適用)、月60時間を超えての深夜残業は75%以上の割増賃金が必要となります。

さらに、法定休日に労働が発生した場合は、休日労働として35%以上の休日割増賃金が必要であり、休日労働が深夜に及んだ場合は合わせて60%以上の割増賃金が必要となります。

ただし、休日労働に時間外労働という概念はないため、休日労働が8時間を超えても時間外割増賃金は重複して発生しません。この辺りの重複関係は混同しやすいので、きちんと整理しておきましょう。

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深夜労働の例外規定

基本的に深夜労働は雇用・労働形態を問わず適用されますが、一部例外もあります。

管理監督者も深夜割増賃金は必要

管理監督者や機密事務取扱者、監視業務従事者などは、労働基準法の労働時間・休憩・休日に関する規定が適用外とされていますが、深夜労働の規定は除外されず適用されます。

>>「管理監督者だから残業代なし」の危険性|名ばかり管理職かも?

また、一定期間内の時間外労働の計算方法が緩和される「変形労働時間制」の対象労働者であっても、深夜労働に対する割増賃金は必要となります。

>>変形労働時間制の本当のメリット・デメリットとは?|各制度別に解説

同様に、労働時間の設定が労働者自身に委ねられるフレックスタイム制や裁量労働制においても、深夜労働に対する割増賃金は必要で、このように多くの制度において深夜労働は等しく適用されることになります。

>>裁量労働制でも残業代は発生する!トラブル防止のポイント

高度プロフェッショナル制度は深夜労働が適用されない

高度プロフェッショナル制度の対象労働者については、労働時間や休憩・休日のほか、深夜労働に関する規定も適用外となるため、深夜割増賃金は発生しません。

高度プロフェッショナル制度とは、高度な専門知識及び職業能力を有する労働者に対する完全成果型労働制で、対象業務や年収要件が厳格に設定されています。

>>高度プロフェッショナル制度は裁量労働制とどう違う?

みなし残業代でも追加で深夜割増賃金が必要

みなし残業代を支払っている場合でも、通常は深夜割増賃金まで含んでいないため、別途深夜割増賃金が必要となります。

>>固定残業(みなし残業)代の正しい計算方法|導入のメリットは?

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深夜労働について、よくある質問

深夜労働に関してよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。

Q
そもそも深夜割増賃金はなぜ必要?
Q
深夜割増賃金の計算に夜勤手当は含める?
Q
深夜労働に「36協定」は必要?

深夜労働の管理は勤怠管理システムで

深夜労働は、法定時間内か法定外時間かによって割増率が異なり、また休日労働が重なる可能性もため、計算がより煩雑になります。また、深夜労働が続いている従業員は心身への負担が大きく、個別のケアが必要です。

勤怠管理システムの導入で、時間数や時間帯に応じた適切な割増賃金が自動計算され、従業員ごとの勤怠状況もリアルタイムに把握できます。

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