介護業の勤怠管理は、交代勤務制や訪問介護など多様な勤務形態が混在していたり複数の職種を兼務していたりするため、非常に煩雑で担当者の負担も大きくなります。

介護業特有の問題を解決するためには、必要な機能を備えた勤怠管理システムの導入が不可欠となります。この記事では、介護業に最適な勤怠管理システム選びのポイントと、オススメ製品についてお伝えします。

失敗しない勤怠管理システムの選び方とは?
・勤怠管理システム検討時に抑えるべき点を整理したい
・現状の勤怠業務で管理すべき点を網羅的に整理したい
・効率化(システム化)できる点を整理したい

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介護業における勤怠管理の問題点

介護業における勤怠管理には、多様な雇用形態、訪問介護などに起因する特有の課題が存在します。

労務管理の負担が大きい

介護業務は、他の業界と比べて、以下のような特殊な働き方になることがあります。

  1. 施設介護では、24時間勤務体制のために、交代制勤務、夜勤勤務、宿直勤務がある  
  2. 一人の従業員が複数の業務を兼任することがある
    • ヘルパーが事務や送迎を兼任することがあります
  3. 複数の事業所で勤務することがある
    • 所属する事業所だけではなく、グループの他の事業所や、併設する病院に出勤することがあります
  4. デイサービスや訪問介護サービスは、パートタイマーが多く、訪問介護サービスは直行直帰することがある
  5. 1日の中で、勤務後に一度自宅に帰ってまた出勤することがある

このような特殊な勤務形態では管理が複雑になり、労働時間や休憩時間の把握が難しくなります。

昔ながらのタイムカードや紙ベースでの勤怠管理では、複数のタイムカードを打刻しなければならなかったり、外勤者の打刻忘れや報告忘れにより正確な始業・終業時間が確認できずに、労働時間の集計があいまいになってしまうことがあります。

労働時間が正確に把握できなければ、給与計算を正しくできないため、賃金の未払いが発生してしまうかもしれません。賃金の未払いは、労働基準法に規定する「賃金全額払の原則」に違反することになり、30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

また、介護業では人員配置基準という、提供する介護サービスによって必要な人員を配置することが介護保険法で定められているため、基準を満たすシフト作成や、労働時間管理の負担も大きくなります。

ホームヘルパーの労働時間が把握できない

ホームヘルパーは、従業員の自宅から利用者の自宅に直接行って仕事を行い、そのまま自宅へ帰ることが多いため、施設で働く従業員よりさらに労働時間の把握が難しくなります。

自宅とサービス利用者宅の移動時間を除く時間が労働時間ですが、紙の報告書等による自己申告制では、実際と違う時間が記載されていても、その時間が正しいかを確認する方法がないため、労働時間を正確に把握することは困難です。

なお、直行直帰のホームヘルパーの利用者宅から利用者宅への移動時間は、労働時間に含める必要があります。

有給管理が煩雑

介護業では有給管理が煩雑になりがちで、取得率も令和2年に厚生労働省が発表した調査においても、決して高いとは言えない水準に留まっています(参照元: 令和2年就労条件総合調査の概況|厚生労働省 )。

2019年4月から、年10日以上年次有給休暇(以降有給)を付与された従業員は、付与日から1年以内に5日以上取得させること、有給休暇管理簿の作成をして会社で保管することが義務付けられました。

最近の労働基準監督署の調査では、5日取得していない従業員がいたり、有給休暇管理簿を作成していないと是正勧告や指導されるため、年10日以上有給を付与した従業員の有給取得状況の確認と有給休暇管理簿への転記は必須となります。

また、最初の有給は6か月勤務後に8割以上出勤した従業員に付与されます。介護業は人の出入りが激しいため、従業員ごとの有給休暇の付与タイミングがバラバラになりがちです。

さらに、付与日数は勤務日数や勤務時間によって異なるため、正社員、パート・アルバイトなどが混在する介護業は、個々人の取得状況を把握するのも困難になります。

有給休暇についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>労働基準法に違反しない有給休暇の与え方|7つのテーマで丸わかり

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介護業に勤怠管理システムを導入するメリット

いままで紙のタイムカードや日報で労働時間を管理すると、打刻時間が合っているか確認することは困難なこと、手作業で集計すると集計間違いが発生するなどの問題がありました。

ここからは、介護業に勤怠管理システムを導入することによって得られるメリットについてお伝えします。

労務管理が楽になる

勤怠管理システムは、入退社がある場合、勤怠データ等のタイムカードの設定をパソコン上でできます。タイムカードに手書きで名前を書いたり、日報ファイルを作成する手間が省けます。

介護業は、長時間労働が多いとよく取り上げられますが、2019年4月から(中小企業は2020年4月から)残業時間の上限規制が適用されています。また、事業所毎に労働基準監督署に提出している時間外労働休日労働に関する協定届(36協定)の時間を超えることはできません。

36協定と残業時間の上限規制についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>【新制度対応】36協定で認められる残業時間は?|原則は月45時間

労働時間がこれらの上限規制と36協定の時間を超えないよう管理しなければなりませんが、手作業による管理では随時確認することが困難です。その点、勤怠管理システムであれば、打刻データが即時反映されるため、リアルタイムに労働時間の集計・確認が可能です。

また、異なる給与体系の職種を兼務している従業員がいる場合でも、職種や雇用形態別にグルーピングして管理できるため、煩雑さが緩和されます。

2023年4月からは、月60時間越えの残業の割増率アップ(25%以上から50%以上)が中小企業にも適用されます。そのため、人件費の増加を避ける意味においても、月の残業時間が60時間を超えないように管理することも今後重要になってきます。

労働時間が正確に管理できる

勤怠管理システムを利用した勤怠打刻により、労働時間の正確性が担保されるようになります。

働き方改革により、2019年4月から労働時間を適正に把握することが義務になり、使用者は自ら現認することによる確認か、客観的な記録(ICカード、パソコンの使用時間など)を基礎とするもので記録することが求められています。

使用者が毎日始業・終業時刻を記録して、一日何時間働いたか確認することはほぼ不可能であるため、客観的な記録を基礎にして記録することになります。しかし、ホームヘルパーなどタイムカードを打刻できない場合は、自己申告により労働時間を把握するしかありません。

こうした自己申告に頼った勤怠記録は、客観的な記録は言えないため、結局は労働時間把握の義務を果たせないことになります。

そこで、勤怠管理システムのモバイル端末による打刻を使うことで、ホームヘルパーでも訪問先での労働時間を正確に勤怠データとして記録することができるようになります。また、GPS情報と照らし合わせて、従業員の勤務地を把握できるため、不正打刻防止にもつながります。

勤務表の管理が楽になる

勤怠管理システムにより、勤務シフト表の作成やシフト管理が楽になります。

介護業は、夜勤、日直、交代勤務を行うことや、常勤以外のパートタイマーがいるため、勤務表を作成して、介護サービスにあった人員配置基準を満たすようにしています。必要な介護サービスに無駄なく人員を配置する勤務表の作成は、複雑で難しいため時間がかかります。

そこで、勤務表の作成機能がある勤怠管理システムを導入することで、時間をかけずに勤務表を作成できます。従業員の希望日時の提出、シフト表の作成や調整をシステム上から行うことで、転記ミスや煩雑な作業を無くすことができます。

作成した勤務表につき、欠勤や年次有給休暇の取得申請があったときの穴埋め人員の配置などの、シフト調整を助けてくれる機能がある勤怠管理システムもあります。

従業員にも安心して働いてもらえる

勤怠管理システムで、適正に労働時間を管理すれば、従業員も安心して働くことができます。

勤怠管理システムにより不正打刻が無くなり、労働時間を正確に反映した給与が支払われることで、不公平感や不信感が払拭されます。

有給(時間単位有給を含む)の取得、子の看護休暇・介護休暇の時間単位で休暇を取得しても、間違いない労働時間の集計してもらえると分かれば、安心して休めるようになるため、離職率の低下にもつながります。

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介護業の勤怠管理システムに求められる機能とは?

ここからは、介護業の勤怠管理にとって特に必要となる機能を見ていきましょう。

外勤者の出退勤打刻が可能

直行直帰や複数の事業所で勤務することがあるため、事業場に出勤しなくても、始業時刻終業時刻の打刻が可能な勤怠管理システムが便利です。

スマートフォンでの打刻や、チャットツールで打刻が可能な勤怠管理システムであれば、外勤者も簡単に打刻することができます。

申請ワークフロー

残業申請、宿直勤務、有給取得申請を紙ベースではなく、従業員からの申請→上司の承認→申請通りに勤務したかの確認まで、一括でできるシステムが良いでしょう。申請・承認のステータスを、本人もリアルタイムで確認できれば安心です。

シフト(勤務表)管理

シフト管理機能は介護業にとって必須とも言える機能で、介護スキル、勤務形態など様々なパターンに応じた勤務表を作成できることが重要です。

勤務希望日の申出、急な都合でのシフト変更がシステム上から行えるほか、配置基準を満たすための人員の過不足を表示できる機能もあればベストです。

給与計算ソフトとの連携

勤怠管理システムによっては、同じ会社から提供されている給与計算システムと連動することで給与計算を簡単に行うことができます。そのため、勤怠管理システムの導入と同時に、連動している給与計算システムを導入したほうがスムーズに給与計算できます。

ただし、現在の給与計算ソフトを使用したい場合や、税理士に給与計算を依頼している場合などは、使用している給与計算ソフトと連携可能な勤怠管理システムを選択しましょう。

常勤換算表の自動作成

介護業は、各施設のサービスごとに人員配置基準を満たす人数を勤務させなければなりません。常勤以外のパートタイマーやアルバイトなどの短時間で勤務する従業員もいますが、短時間勤務従業員を常勤とカウントすると、人員配置基準を満たさなくなってしまいます。

そこで、常勤換算を行い、全従業員の労働時間を合計して、常勤の1か月間の勤務時間数で割ることにより、その事業所の平均従業員数を表します。この勤務表作成時や1か月の勤務後の常勤換算表の作成を、自動でできる勤怠管理システムがあります。

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介護業に特化した勤怠管理システム「カイポケ」(エス・エム・エス社)

カイポケ」は、介護事業の開業支援、ケア記録への記入やケアプラン作成・確認、請求業務、勤怠管理、給与計算など、介護業に必要な業務を総括して行うことができます。

採用業務や会計業務を含む、介護業の経営を行う上で必要な機能が一通り揃っているため、介護経営をトータルでサポートしてくれます。

<カイポケの特徴>

  1. クラウド型のため、ソフトのインストールは必要なし
    • インターネットに接続できる環境でいつでも利用可能
  2. 介護業の複雑な勤務体系のシフト作成→出勤・退勤時間の登録→集計までが早い
  3. 予定実績管理をもとにした集計から給与計算まで自動で終わることができる
  4. 給与の振込が一括でできる
  5. 給与明細を出力できる
  6. 「カイポケ」の利用者は、勤怠管理システムが無料で使用できる

タブレットが1台無料配布されたり、最大18か月のカイポケ利用料が無料になったりといったキャンペーンをしていることがあります。

また、勤怠管理機能はないものの、カイポケと同じように介護経営をサポートできるシステムとしては、以下の3つがあります。

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介護業に必要な書類が作成できる勤怠管理システム2選|書類対応型

ここでは、介護業で必要な「常勤換算表」や医療業で必要な「様式9」の作成ができる勤怠管理システムを、2つご紹介します。

ジョブカン勤怠管理(株式会社Donuts)

ジョブカン勤怠管理は、多彩な打刻方法・高いカスタマイズ性・充実したサポート体制を兼ね備えた勤労管理システムです。

<ジョブカン勤怠管理の特徴>

  1. 多彩な打刻方法
    • タイムレコーダー打刻だけでなく、介護の業態に依存しないパソコン・タブレット、生体認証、LINE打刻などから選択できます
  2. シフト管理が簡単
    • 夜勤や細切れの休憩にも対応したシフト表を作成し、従業員間で共有も可能です
  3. 工数管理が簡単
    • 業務毎にどのくらいの人数でどのくらいの作業時間かかったか分析可能で、工数削減による生産性を上げることができます
  4. ジョブカン労務HR、ジョブカン給与計算のジョブカンシリーズと連携により、従業員情報の管理、社会保険雇用保険の手続き、給与計算、年末調整など、労務業務がすべて網羅することが可能
  5. 多数の給与計算システムに勤怠データを入れることが可能
    • 勤怠データをCSVデータに変換し、多くの給与計算ソフトに一括インポートできます

勤次郎(勤次郎株式会社)

勤次郎は、介護業と相性の良い機能を多数備えた勤怠管理システムです。

<勤次郎の特徴>

  1. シフト作成が最大46000種類可能
    • シフト作成が難しい深夜勤務、交代制勤務、1日2日勤務のシフト作成ができます
  2. 多彩な打刻方法
    • タイムレコーダー、パソコン・タブレット・スマートフォン、ICカードリーダー、指静脈リーダーなどの多彩な打刻方法から選ぶことができます
  3. 打刻漏れ、残業超過、36協定届出時間超過があった場合、アラートで通知
    • 自動的に従業員に通知されるため、法令違反を未然に防げます

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介護業に実績のある勤怠管理システム6選|汎用型

ここからは、介護業特有の勤務形態に対応できる勤怠管理システムを、6つご紹介します。

KING OF TIME(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)

KING OF TIMEは、市場シェアNo.1を誇るクラウド型勤怠管理システムです。

<KING OF TIMEの特徴>

  1. 多彩な打刻方法
    • ICカード、PC、モバイル、顔認証、指静脈認証、アプリなどのさまざまな打刻方法から自社にあった方法を選択でき、LINE WORKSとも連携可能です
  2. 多数の人事管理システムや給与計算システムと連携が可能
    • 市販されている給与計算、人事制度システムとの連携が可能です(連携しているシステムはホームページでご確認ください)。

jinjer勤怠(jinjer株式会社)

jinjer勤怠は、多様な打刻方法・シフト管理・ワークフローなどを搭載し、契約継続率99.4%を誇る高機能勤怠管理システムです。

<jinjerの特徴>

  1. 同社製品と連携可能
    • 給与計算や経費精算などの同社のサービスと連携可能です
  2. 専任のサポート担当がつく

e-就業OasiS(株式会社ニッポンダイナミックシステムズ)

e-就業OasiSは、36協定の設定や勤務パターンの入力など、慣れない作業で生じる負担を軽減できるよう、要件に応じた初期設定を行った状態で納品されます。

<e-就業OasiSの特徴>

  1. 自由度が高い
    • 介護業の特殊な勤務形態にも対応できるカスタマイズが可能です
  2. 働き方改革などの最新の法令の沿った対応が可能
    • 残業の上限時間に近づいたときや、超えたときに従業員、使用者にアラートメールが送信されます

勤労の獅子(エス・エー・エス株式会社)

勤労の獅子は、充実したサポート体制で継続率99%を誇る勤怠管理システムです。

<勤労の獅子の特徴>

  1. 勤務形態の柔軟な設定が可能
    • 専任コンサルタントによるヒアリング内容が、システムに反映されます
  2. シフト機能が充実
    • 1000以上のシフトに対応しているため、細かいシフト調整が可能です
  3. ほとんどの給与システムとの連携が可能

ShiftMAX(KYODOU株式会社)

ShiftMAXは、インターフェイスにExcelを使用した勤怠管理システムです。

<ShiftMAXの特徴>

  1. 介護業特有の勤務形態に対応
  2. 導入がスムーズ
    • インターフェイスがExcelなので、操作に戸惑うことが少なく、専属エンジニアによるフルサポートも受けられます

かえる勤怠管理(株式会社ITZマーケティング)

かえる勤怠管理は、初期費用0円、人数課金なしなど、コストパフォーマンスに優れた勤怠管理システムです。

<かえる勤怠管理の特徴>

  1. シフト作成が簡単
    • 多様な勤務形態に応じたシフト表作成が可能で、CSVデータのインポートにより、今までのシフトデータの移行も可能です
  2. 日またぎの勤務にも対応
    • システムが自動で分割打刻するため、多忙な介護業務の合間に打刻作業をする手間が省けます

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介護業の勤怠管理はシステム化が不可欠

介護業は、深夜勤務、宿直、複数の職種兼務、外勤、変形労働時間制の適用などがあるため、労働時間を正確に集計するには多くの時間がかかります。

また、長時間勤務や深夜労働も常態化しているため、個々の従業員のケアを行うには、勤怠データを一元管理できるシステムでないと無理が出てきます。

「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」は、介護業に必要な要件を満たした勤怠システムの中から、自社に最もマッチングする最適な勤怠システムを提案します。どのシステムがよいか分からない、勤怠システムの特徴がわからない、と悩んでいる方はぜひ活用してみてください。

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