介護休暇や介護休業という言葉を聞いたことないでしょうか。

育児のために休むことの出来る育児休業は有名ですが、実は介護のためにも休むことが出来るのです。

その制度が介護休暇と介護休業なのですが、両者はどう違うのでしょうか。

この記事ではその違いと、賢い使い分け方を紹介します。

介護休暇と介護休業の違い

介護休暇と介護休業は似た言葉ですが全く違う意味です。

どちらも要介護の状態にある人をサポートする時に休む事が出来るという制度で、疫病、精神的、肉体的に要介護状態になり、2週間以上誰かの介護が必要な時に取得出来る休暇です。

要介護はどういう状態かというと、介護保険の申請の時は色々と細かい基準があるのですが、介護休暇と介護休業においては1人で入浴が出来ないという状態の事だと思ってもらって大丈夫です。

つまりここで重要なのは、介護休暇・介護休業をするに当たって、介護をしなければならない家族はお年寄りでは無くてもいいという事です。

介護というとお年寄りというイメージがありますが、大怪我をした高校生の息子や、高熱を出して寝込んでいる夫のためにも休む事が出来るのです。

介護休暇と介護休業の制度で言う家族の範囲ですが、2親等までです。

2親等というのは祖父母、兄弟、子、孫、配偶者、配偶者の両親までです。

つまり夫の兄弟や祖父母、いとこなどは対象ではありません。

ここまでは介護休暇と介護休業は同じです。

大きな違いは休む期間と、介護休業給付金がもらえるかもらえないかということになります。

介護休暇とは

介護休暇は家族が2週間以上、要介護状態になった時に休む事が出来る制度です。

介護休業給付金はもらえません。

有給を消化して休む事は出来ますが、基本的には休んだ分給料は減る事になり、欠勤と同じ扱いとする企業がほとんどです。

その分、介護休暇の取得の壁は小さく、介護を必要とする家族がいる従業員でいれば日雇い労働の人以外なら誰でも取得出来ます。

ただし、労使協定を結んでいる場合は入社1年未満で、1週間に2日以下しか働いていない人は対象外となっている場合があります。

そのような労使協定を結んでいるかどうかは会社に確認しましょう。

要介護者1人当たり年間5日間までで、2人以上だと年間10日取得出来ます。 法改正により、令和3年までは日にち単位だったものが、時間単位でも取得出来るようになりました。

つまり、病院に送り迎えするために休むという事が可能です。

介護休業とは

介護休業は介護を必要とする家族がいる従業員であれば日雇い労働の人以外なら誰でも取得出来ます。 ここまでは介護休暇と同じですが、労使契約によって対象外となる人が少し違います。

労使協定を結んでいる場合は入社1年未満で、1週間に2日以下しか働いていない人は対象外なのは介護休暇と同様です。

これに申出の日から93日以内に雇用期間が終了する労働者も加わります。

これらの条件に当てはまる人は、介護休業の対象外となる労使契約があるかどうかを会社に確認しましょう。

介護の人手が必要な日に休むという意味合いが強かった介護休暇と違い、介護休業は基本的には数日に渡って休むものとなります。

もちろん1日だけ休んでもいいのですが、その場合は年間で3日しか介護休業は出来ません。

介護休業の取得回数は対象家族1人につき3回まで、通算93日までなので、1日だけでも1ヶ月でも1回とみなされます。

介護休業をすると介護休業給付金がもらえますが、これは雇用保険から支払われるので、雇用保険に未加入だと介護休業給付金はもらえません。

違い

介護休暇と介護休業の一番の違いは介護休業給付金がもらえるかもらえないかです。

他には取得期間の違いもあり、介護休業の場合は連続で何日か取得することが前提となっている制度です。1日だけ休む場合は介護休暇で、数日間に渡って休む場合は介護休業を利用するという使い方も出来ます。

ただし、介護休業給付金は雇用保険から出るため、介護休業を取得出来る用件を満たしても雇用保険に入っていないともらえません。

雇用保険に加入していない状態で介護休業を取得すると、その間給料などはもらえないまま数日間休むという事になってしまいます。

介護休暇

介護休暇の取得と期間

介護休暇を取得するにはどのようにしたらいいのでしょうか。

介護休暇は特に給付金も無ければ社会保険が安くなるということもない分、比較的簡単に取りやすい制度です。

時間単位で取得することも出来ますし、口頭で介護休暇取りたいと言うだけでも取得出来ます。

年間で取得出来る日は決まっていますが、介護休暇と介護休業の制度における1年というのは4月1から3月31日までです。

つまり4月1日になると取得出来る日数がリセットされるという事になり、次の年に持ち越しで今年は1日余ったから翌年は1日増えるということは出来ません。

介護休暇は時間単位で取得可能

介護休暇は介護の対象が1人だと年間5日で、2人以上だと年間10日取得出来ます。

つまり、要介護状態の家族が2人いても5人いても介護休暇は年間10日までです。

介護休暇は法改正により、令和3年から時間単位で取得できるようになりました。

この改正により、例えば病院や介護施設への送り迎えの時間だけ仕事を休むということも可能です。

注意しなければならないこととして介護休暇は介護休業と違い、介護休業給付金はもらえないため、休んだ分給料は安くなります。

休んだ分だけ給料が減るので、介護休暇は短時間で済むのであれば、短時間だけ休んで、そのまま仕事に復帰したいと希望する人も多いのです。

介護休暇とは別で、有給休暇はどこの企業でも取得が出来るので、有給が残っているうちは有給を利用した方が良いでしょう。

しかし、一部の優良企業では、介護休暇は有給と同じとみなして、有給休暇とは別に有給の休みとして扱っている制度をやっている企業もあります。

要介護状態の家族がいる人は、介護休暇を有給として取れるのかどうかも働く会社を選ぶ基準としてもいいかもしれません。

とはいえ、そのような企業はごく一部で、介護休暇を有給としなければならないという決まりは無いため、ほとんどの企業では介護休暇はただ会社を休んだり、早退、遅刻しただけという事になります。

その場合の介護休暇の意義は、企業側は介護のためだと言う理由の欠勤は認めなければならないという事にいなるのでしょうか。

給与はもらえませんが、無理して働かせることは出来ないということになります。

社内規定に無ければ口頭でも申請可能

介護休暇について社内規定に書いてある場合は、専用の書類で届出をしなければならないという会社もあるかもしれません。

厚生労働省が定めている介護休暇制度としては口頭でも可能という事にはなっていますが、企業に義務付けているわけでもありません。

社内規定に特に書いてなければ口頭でも介護休暇は取得出来ます。

例えば子供が通学時に大きな事故を起こして、全治2週間以上の大けがをしたという時などでも、電話で介護休暇を取得したいと申し出ることが可能です。

介護休暇は介護休業とは違い、介護休暇を取得したところで、手当はもらえませんが、会社側は介護のために休むという事を拒否出来ない、という事になります。

介護休暇時の給与と手当

介護休暇を取得しても特に法律に明記されている手当などはもらえません。

それでは給料やボーナスはどうなのでしょうか。

介護休暇は基本的には遅刻や欠勤と同じ扱いという事になります。

介護休暇は基本的には手当無し

介護休暇では基本的に特に手当はありません。

介護休業給付金がもらえるのは介護休業なので、混合しないように注意が必要です。

給与やボーナスにどう影響が出るのかは会社の規定によります。

しかし、通常は自分の体調不良などで休む欠勤と同じ扱いになる事が多いでしょう。

一方で、介護休暇は法的に認められている制度なので、その辺りは考慮して査定してくれる会社もあります。

さらに優良な企業だと、通常の有給休暇とは別に、介護休暇を取得した際に出る手当を用意しているところもあります。

とはいえ、厚生労働省が定めている決まりでは、無給でも可能という事になっているので、ほとんどの企業では無給となっているのが現状です。

介護休業給付金

介護休暇では介護休業給付金はもらえません。 介護休業給付金がもらえるのは介護休業で、なおかつ雇用保険に加入している人で、数日間にわたって介護のために休む時に介護休業給付金を受け取ることが出来るという制度です。

介護休業は最大で連続93日まで休業出来ますが回数は対象家族1人につき3回だけです。

つまり1日の介護休業を3回取ってしまったらもうその年は介護休業は出来ません。

1日だけ休む時は介護休暇で1日だけ休んで、連続で数日間休む時は介護休業を取得して、介護休業給付金を取得するという使い分け方がおすすめです。

介護休暇と介護休業における1年というのは4月1から3月31日までなので1年の後半でまだ介護休業できる回数に余裕がある場合は、1日だけでも介護休業を取得しても良いかもしれません。

介護休業給付金の制度は育児休業給付金と同じような制度ですが、育児休業と違って、社会保険料の免除が行われません。

したがって介護休業で介護休業給付金を受け取っている期間も社会保険は払っているという事になり、育児休業よりは家計の負担は大きくなります。

職種での介護休暇

介護休暇は職種によってルールが異なるのでしょうか。

厚生労働省が定めている最低限のルールはありますが、その範囲内で企業側が決める事が出来ます。

社員側に有利なように規則を変えることは出来ますが、厚生労働省が定めている最低限のルールより社員にとって厳しい内容には出来ません。

したがって、介護休暇のルールは職種ではなく会社によって変わるのですが、公務員の場合はどうなのでしょうか。

公務員の介護休暇

まずはじめに、地方公務員も国家公務員も介護休暇に関する公務員としてのルールは同じです。

公務員の場合は、厚生労働省が定めている最低限の基本的なルールそのままです。

介護休暇は要介護の対象者1人につき年間5日までで、無給、給与やボーナスも休んだ分は減るという事になります。

パートタイム勤務の介護休暇

フルタイムで働いている正社員であれば、介護休暇は取得出来るものの、給料は休んだ分少なくなるということでした。

それではパートタイム勤務の介護休暇はどうなのでしょうか。

介護休暇は日雇いの人以外は取ることが出来るので、パートタイム勤務でももちろん取ることが出来ます。

ただし、労使契約を結んでいると、入社半年以内で、週の勤務が2日以下の人は対象外となってしまいます。

1週間に1回だけしか働いていない人は会社にそのような労使契約がないのかしっかり確認しましょう。

労使契約があるにしろ、無いにしろ時間で決まっているわけではなく、日にちで決まっているという点も注目すべきポイントです。

つまり週1時間だけの勤務でも週3日以上出勤していれば介護休暇は取れるという事になります。

介護休暇は取れるものの、パートタイムでは時給で働いている人がほとんどだと思うので、介護休暇で休むと休んだ分の給料はもらえません。

介護休暇

介護休暇取得のトラブルと対処法

介護休暇取得の時にはどのようなトラブルがあるのでしょうか。

多くの場合は、名前が似ている介護休業と混合しているということと、制度を正しく理解していない事による認識不足によるが多いです。

給料とボーナスが減る

介護休暇を取得すると、給料とボーナスが減ったとトラブルになる場合があります。

しかし、介護休暇は有給とは違うので、給料やボーナスが減るというのは当然の話で、介護休暇だと申請していたのであれば企業に非はありません。

有給と同じように、何か手当をもらいながら休める制度は介護休業で、手当は会社からではなく、雇用保険から介護休業給付金がもらえます。

介護休業給付金の手続きは会社でするのではなく、ハローワークでする事になり、会社で手続きしただけでもらえるものだと勘違いしないようにしましょう。

介護休暇や介護休業の制度に詳しい会社だと、この後ハローワークに行ってくださいと教えてくることもありますが、特に何も言わない会社もあるでしょう。

介護休暇と介護休業の使い分け方ですが、例えばお年寄りのいる家庭など、いつ長期間の介護が必要になるか分からないという場合は、もしもの時のために介護休業を温存しておいて介護休暇で休んでもいいかもしれません。

しかし、子供の大けがなど、ここさえ乗り切ればしばらくは介護の必要は無いという場合は介護休業を取得しておいた方がいいでしょう。

ただし、介護休暇と介護休業の1年の境目は4月1日なので、1年の後半で介護休業がまだ残っている場合は介護休業を積極的んい使っても良いでしょう。

日にち単位でしか取得出来ない

介護休暇は令和3年から時間単位で取得することが可能になりました。

しかし、改正された事をまだ知らない会社の上司も多くいる事でしょう。

知らない場合は改正された事を説明してみて、それでも納得されない場合は、人事部の詳しい人か、さらに上の上司に確認してもらうようにお願いしましょう。

介護休暇のほとんどの場合は時間単位でも取得出来るので、介護のための遅刻や早退も出来るのですが、時間単位で取得出来ない場合もあります。

それは労使契約を結んでいた場合です。

ただし労使契約を結んでいればどの職種でも対象となっているわけではありません。

職種によっては時間単位で取得されると業務に支障が出る場合があります。

例えば飲食店などは、忙しい時間とそうでない時間がはっきりとしています。

厚生労働省が定めている決まりには具体的に「時間単位で取得されると業務に支障がある仕事はこのような仕事」とはっきりと書かれていません。

労使協定があるかどうかなので、会社と従業員の相互が納得した場合という事になります。

そのような時間単位で介護休暇を取得されると業務に大きな影響があるという場合は、労使契約を結んでいると時間単位では介護休暇が取得出来ません。

まとめ

介護休暇について紹介しました。

注意しなければならないことは介護休業との違いです。

一見、介護休業給付金ももらえる介護休業の方が良さそうですが、今回紹介したように、場合によって使い分けることが出来ます。

介護休業給付金の手続きは会社でするのではなく、ハローワークでする事になるので介護休業給付金を受け取る際はハローワークに行くことも忘れないようにしましょう。

また、介護というとお年寄りのイメージですが、要介護状態になるのはお年寄りだけということとは限らないということも押さえておくべきポイントです。

2親等以内であれば、若い人でも要介護状態になれば介護休暇と介護休業が取得出来ます。

介護休暇、介護休業制度を上手く利用して、家族にとって最も良いやり方を選択するようにしましょう。