病気休暇は、法律で導入や付与が義務付けられていない休暇ですが、公務員でも採用されている制度です(民間では傷病休暇と呼ばれている場合もあります)。病気休暇の日数や給料は、どのようにするべきなのでしょうか。

この記事では病気休暇の注意点や、導入する企業のメリットなどを分かりやすく解説します。

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病気休暇とは

病気休暇は、業務と因果関係のない病気によって就業不能となった従業員に対して、業務ができる状態に心身が回復するまで休暇を与える制度です。一部の企業で導入されているものの、法律上必ず導入しなければならない制度ではありません。

また、公務員にも病気休暇の制度があり、こちらは人事院規則などに規定されている「法定休暇」となります。

長期で病気療養が必要なとき

病気休暇を取得できるのは、業務と因果関係のない病気により就業不能となり、療養が長期に及ぶ場合です。

目安としては、傷病手当金の支給要件となる、連続4日以上の休業というのが一つの基準となります。ただし、特に法律に規定されている制度ではないため、要件や日数については会社が任意に決めることができます。

なお、粉じん作業によるじん肺や過重労働による脳梗塞など、業務に起因する病気の場合は労働者災害補償保険(労災)によって処理することになるため、病気休暇の対象とはなりません。

病気休暇は特別休暇の一種

病気休暇は法律に規定のない、特別休暇(法定外休暇)の一種です。特別休暇には他に、リフレッシュ休暇や結婚休暇、年末年始休暇などがあります。

対して、法律で導入と付与が義務付けられている休暇を法定休暇と呼び、年次有給休暇や介護休暇などがあります。なお、年次有給休暇以外の法定休暇は、取得時の有給・無給について会社が任意に決めることができます。

>>病気休暇以外の法定休暇・特別休暇の一覧はこちら

病気休暇の導入状況

病気休暇の導入状況は厚生労働省の調査で公開されています。病気休暇を導入している企業は全体で23.3%、公務員でも病気休暇は採用されています。

特別休暇

※参考:厚生労働省『令和2年就労条件総合調査の概況』

大企業ほど導入が多い

厚生労働省の調査によると、従業員数が1000人以上の会社に限ると、病気休暇の取得は39.9%でした。従業員数300人~999人の場合は32.1%で、従業員数30人~99人の企業の場合は20.2%でした。ある程度大きな企業は病気休暇を導入していることが分かります。

資本力に余裕があるといった理由もありますが、従業員数が多いと休んだ人の穴埋めがしやすいなどと融通が効くので休暇を取りやすい事情もあります。100人中の1人と1000人中の1人だと、会社にとっての負担の重さは異なります。

半日や時間単位で取得できる場合も

病気休暇を導入している企業によっては、半日や時間単位で取得できる場合もあります。

時間単位で取得できる企業は、病気休暇は有給ではなく無給の休暇になるケースが多いです。ただし、無給とする場合でも、欠勤扱いとはせずボーナスの査定や皆勤手当などに影響を与えないよう注意が必要です。

なお、自分の病気ではなく、未就学の子どもの急病やケガで通院が看病が必要な場合は、法定休暇である子の看護休暇という制度があります。認知度が高くなく、存在を知らない従業員も少なくないため、就業規則への規定はもちろん、従業員へもしっかり周知しておきましょう。

>>「子の看護休暇」時間単位取得の実務ポイントを分かりやすく解説

公務員の病気休暇

公務員には病気休暇の制度があります。国家公務員の病気休暇は「人事院規則」に定められた法定休暇となります。

国家公務員の場合は、最大で連続90日までの取得が認められています。地方公務員の場合は、国家公務員に準じた内容となっていることが多いですが、自治体によっては条例で独自の病気休暇を定めている場合もあります。

民間企業の病気休暇

民間企業の病気休暇は、厚生労働省の調査によると全体の23.3%が導入しており、そのうち大企業になるほど導入している企業が多くなっています。

特別休暇であるため導入する義務はありませんが、病気休暇を導入することで社員の福利厚生を充実させることにつながります。「社員を大切にする企業」というイメージも持たれやすく、社員満足度の向上や会社の印象が良くなる効果はあるでしょう。

さらに病気休暇は、インフルエンザやコロナウイルスなどの感染力の高いウイルスによる集団感染を未然に防ぐことができます。

病気休暇がない企業で、休めば給料が減ることになれば多少の体調不良であれば無理して出勤する社員は必ず出てきます。社員がインフルエンザなどの感染力の高い病気でありながら出勤されると、一気に会社内に蔓延してしまいます。

しかし病気休暇の制度があれば、従業員は体調不良の際に無理せず休みやすくなります。社員が休むことで人手が減ってしまい会社の業務が大変になることもありますが、クラスターが発生し、その後多くの社員が感染してしまうリスクは避けることができます。

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病気休暇は有給?無給?

病気休暇は法律に規定のない特別休暇であるため、その内容は会社が任意に決めることができ、有給とするか無給とするかの判断も自由です。

ただし、就業規則等に「病気休暇は有給とする」旨の規定がある場合は、当然に支払う必要があります。規定がある以上「法律で義務付けられていない」ことを理由に、支払いを拒否することはできません。

なお、病気休暇が無給の場合、当該従業員が健康保険の被保険者であれば「傷病手当金」が支給される可能性があります。

傷病手当金とは

健康保険の被保険者が、私傷病による就業不能となり連続3日以上休業が続いた場合、健康保険から傷病手当金が支給されます。連続3日以上(「待機期間」と呼びます)の判断は暦日で行うため、休日や休暇を挟んでも「連続して」3日以上であれば、要件を満たします。

具体的な支給額は、以下のようになります。

標準報酬日額 × 2/3 × 待機期間を除いた休業日数

なお、「標準報酬日額」とは「社会保険料決定の基礎になる標準報酬月額の直近12カ月の平均額を、30で割った額」のことです。また、病気休暇中に会社から報酬等が支払われる場合は、受け取る報酬等との合計額が本来の傷病手当金の額を超えないように調整されます。

支給期間は、同一の傷病について「支給を開始した日から通算して1年6ヵ月」(令和4年1月1日より、従来の「支給を開始した日から最長で1年6ヵ月間」から改正)となっています。

病気休暇中のボーナスはどうなるか

ボーナス査定の条件に欠勤率があった場合、病気休暇の制度がないと影響を与えてしまう可能性もあります。そもそもボーナスの支払い自体、会社が法律的に義務付けられているものではなく、ボーナスの額も支給するかしないかも会社が自由に決めることができます。

病気休暇は特別休暇であるため、病気休暇取得がボーナスに影響するのかしないのかは、会社次第で就業規則にあらかじめ規定しておく必要があります。ただし、かりにマイナス査定となるのであれば、病気休暇を導入している意味がないため、査定には影響を及ぼさないのが一般的です。

病気休暇のルール

病気休暇のルールにはどのようなことがあるのでしょうか。病気休暇は法定外休暇なので、会社が独自にルールを決めることができます。

日数や条件は就業規則による

病気休暇に限らず、法定外休暇を導入するときは就業規則に記載しなければなりません。ただし法定外休暇は企業独自の福利厚生なので、日数や条件は会社が自由に決めることができます。インフルエンザなど熱が下がっても感染拡大するリスクのある病気の場合、ある程度、長い日数与える方が会社にとっても良いでしょう。

診断書など証明書類の取得

医者の診断書等の証明書類を取得して、提出させるかどうかは会社によって異なります。一般的には、二日酔いや単純な寝坊までも病気休暇として申請するような不正利用を防止するため、何かしらのエビデンスを提出させる企業も多いようです。

なお、女性従業員が生理によって就業できない場合は、生理休暇という法定休暇が定められています。生理休暇取得に際しては、医師の診断書等の提出を強制することはできません。

>>生理休暇とは? 有給?無給?

病気休暇の対象となる人

病気休暇の対象となる人は、会社の規定によって決めることができます。例えば、「入社半年以上から申請可能」と対象者を限定することもできますし、勤務場所によって絞り込むこともできます。

例えば最近増えてきたリモートワーク。在宅勤務の従業員が病気休暇を申請するときは、何か特別な条件をつけることも可能です。

なお、2021年4月から「パートタイム・有期雇用労働法(旧・パートタイム労働法)」が中小企業にも適用されており、「同一職務内容の正社員と非正社員(パートタイム従業員や有期雇用労働者)の不合理な待遇差を解消すること」が義務付けられました。

この「待遇差」には、特別休暇などの福利厚生も含まれるとされているため、正社員と同一職務内容の非正規社員を、病気休暇の対象から除外することは避けるべきでしょう。

病気休暇の日数

病気休暇の日数は、公務員の場合だと最大で連続して90日となっており、導入している大企業もこれに準じる会社が多いです。しかし、日数は会社の判断で自由に決めることができます。

実際は、インフルエンザやコロナウイルスに感染した場合は、病み上がりの状態でも人にうつしてしまうリスクがあるので、ある程度まとまった日数の休暇を与えることも考慮することをおすすめします。

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病気休暇は勤怠管理システムで対応

病気休暇は法の規定がない分、会社によってさまざまなパターンが考えられます。要件や日数、有給・無給などについて規定が必要で、実務上も取得状況の把握や休暇が長期に及ぶ場合などの引き継ぎや連絡などの対応が必要です。

勤怠管理システムを導入することで、休暇の制度設計に応じた柔軟な勤怠管理が可能となります。

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