病気休暇は、特に法律の取得義務はない休暇ですが、公務員でも採用されている制度です。(民間では傷病休暇と呼ばれている場合もあります。)

病気休暇の日数や給料は、どのようにするべきなのでしょうか。

この記事では病気休暇の注意点や、導入する企業のメリットなどを分かりやすく解説します。

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病気休暇とは

病気休暇とは、公務員や一部の企業で導入されている制度ですが、法律上の義務はないので病気休暇の制度を導入してなくても問題はありません。

病気休暇は法定外休暇(特別休暇)の1つで、病気休暇の制度を導入するかどうかは企業が自由に決めることができます。

長期で病気療養が必要なとき

病気休暇を取得できるのは、長期で病気療養が必要な場合です。

ほかにも、本人の体調は良くてもインフルエンザやコロナウイルスなどに感染してしまうと、出勤することでむしろ迷惑になるケースもあります。

そのような場合も、医者の診断書があれば2週間の自宅待機をさせて、その期間は病気休暇として扱うことも可能です。

期間は病気休暇の制度が導入されている公務員の場合は、最大で90日となっています。しかし、特に法律に明記されている休暇ではないので、日数は企業の判断で自由に決めることができます。

病気休暇は特別休暇の一種

病気休暇は法定外休暇(特別休暇)の一種です。特別休暇とは、法律で定められていない休暇のことを指します。

法律で定められている法定休暇には、年次有給休暇や、介護休暇等があります。法律で休暇の取得が義務付けられていない特別休暇は、年末年始休暇や夏季休暇、忌引き休暇などがあります。

病気休暇もこの特別休暇の中の1つです。

>>法定休暇・特別休暇の一覧はこちら

病気休暇が使える事例

病気休暇は、ベッドから動けないほどの症状の際に使えるのはもちろんのこと、ちょっとした風邪でも使える場合があります。

ちょっとした風邪で通常勤務に支障がないとしても、周りの社員に風邪をうつしてしまうリスクはあります。

そのようなリスクを避けるためにも、病気休暇を導入している会社は、社員が体調不良のため病気休暇を取得したいと申し出れば取得させる会社がほとんどです。

とはいえ会社としては、どのような場合でも病気休暇を与えてしまっては業務が成り立たなくなるリスクもあります。

単なる二日酔いや寝坊を病気だと偽るケースも考えられるので、医者の診断書等の提出の義務を課している企業もあれば、完全に治るまで最低3日休むことを義務付けている企業もあります。

このように最低日数を定めておくことで会社にどのようなメリットがあるのか整理しましょう。それは、完全に治っていない状態で出社して、同僚やお客様へうつしてしまうリスクを防ぐこと。そして、寝坊や二日酔いなどでの安易な使用を防げることです。

病気休暇は有給扱いではない企業が多いので、ちょっとした寝坊の言い訳のために3日分の給料を失ってしまうことになり、不正利用を防ぐことが可能となります。

病気休暇

病気休暇の導入状況

病気休暇の導入状況は厚生労働省の調査で公開されています。

病気休暇を導入している企業は全体で23.3%、公務員でも病気休暇は採用されています。

特別休暇

※参考:厚生労働省『令和2年就労条件総合調査の概況』

大企業ほど導入が多い

厚生労働省の調査によると、従業員数が1000人以上の会社に限ると、病気休暇の取得は39.9%でした。

従業員数300人~999人の場合は32.1%で、従業員数30人~99人の企業の場合は20.2%でした。

ある程度大きな企業は病気休暇を導入していることが分かります。

資本力に余裕があるといった理由もありますが、従業員数が多いと休んだ人の穴埋めがしやすいなどと融通が効くので休暇を取りやすい事情もあります。

100人中の1人と1000人中の1人だと、会社にとっての負担の重さは異なります。

半日や時間単位で取得できる場合も

病気休暇を導入している企業によっては、半日や時間単位で取得できる場合もあります。

時間単位で取得できる企業は、病気休暇は有給ではなく無給の休暇になるケースが多いです。

普通の欠勤とどう違うかは、病気休暇で休暇を取得しても、欠席扱いにはならずボーナスの査定や皆勤手当などに影響与えることがなく休める点です。

しかしながら給料が出ないため、午前中に病院へ行って薬を受け取るためだけに1日休んでしまってはもったいない…そんな時に使えるのが半日や時間単位で取得できる制度です。

病気休暇を有給扱いにしている企業であっても、給料の全額補償ではなく一部補償の場合、休暇を取得して休むのではなく少しでも出勤した方が給料の額は多くなります。

自分の不調のために使うのが病気休暇ですが、6歳未満の子供がいると法定休暇である看護休暇が使えます。

子供のための看護休暇は法律で定められた法定休暇ですので、病気休暇がなくても看護休暇は取得できます。 

看護休暇は時間単位での取得も可能なので、午前中子供の病院に付き合って午後から出勤することも可能です。

公務員の病気休暇

公務員には病気休暇の制度があります。公務員の場合は最大で連続90日まで給料の全額が保証されます。

国家公務員の病気休暇の規定については、人事院のホームページで細かく記載されています。

国家公務員の場合は「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」という法律によって病気休暇が定められています。

その法律によると「病気休暇は、職員が負傷又は疫病のために療養する必要があり、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合における休暇とする」と規定されています。

さらに期間は規則で「療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる必要最小限の期間とする」とされており、原則として連続して90日を超えることはできません。

連続して90日なので、1年間のトータルが90日を超えても連続ではなければ取得できることになります。

民間企業の病気休暇

民間企業の病気休暇は、厚生労働省の調査によると全体の23.3%が導入しており、そのうち大企業になるほど導入している企業が多くなっています。

法定外休暇なので企業は病気休暇を導入する義務はありませんが、病気休暇を導入することで社員の福利厚生を充実させることにつながります。「社員を大切にする企業」というイメージも持たれやすく、社員満足度の向上や会社の印象が良くなる効果はあるでしょう。

さらに病気休暇は、インフルエンザやコロナウィルスなどの感染力の高い風邪による集団感染を未然に防ぐことができます。

病気休暇がない企業で、休めば給料が減ることになれば多少の体調不良であれば無理して出勤する社員は必ず出てきます。

このようなことをされると、社員がインフルエンザなどの感染力の高い病気でありながら出勤されると、一気に会社内に蔓延してしまいます。

しかし病気休暇の制度があれば、従業員は体調不良の際に無理せず休みやすくなります。

社員が休むことで人手が減ってしまい会社の業務が大変になることもありますが、クラスターが発生し、その後多くの社員が感染してしまうリスクは避けることができます。

クラスターが発生してしまうとさらに多くの社員が働けなくなってしまい、場合によっては会社のオフィスを閉めて休業をしなければならないこともあるでしょう。

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病気休暇は有給?無給?

ここまで、病気休暇の基本について解説しました。ここからは、皆さんが気になっているであろう、病気休暇中の給料についてです。

病気休暇を導入している企業は、有給扱いにしているのでしょうか、それとも無給扱いにしているのでしょうか。

無給かどうかは企業が決定できる

民間企業の病気休暇の場合は、無給であるケースと、一部支給のケースと、全額支給のケースがあります。

そもそも病気休暇は法律で定められていない休暇なので、休暇を与えるかどうか、有給にするかどうかも会社が自由に決めることができます。

病気休暇を無給にしている企業の場合、年次有給休暇が余っていれば年休にしたいと申し出る従業員もいるでしょう。

週休2日制で半年以上働いている通常の正社員であれば最低でも10日、最大で20日有給休暇はあるので1日か2日休む程度であれば、無給扱いの病気休暇より年次有給休暇を使って休んだ方が給料は減りません。しかし、有給休暇は事前申請が普通なので、体調不良になった当日にいきなり有給を使えるかどうかは、企業の判断によります。

病気休暇中のボーナスはどうなるか

ボーナス査定の条件に欠勤率があった場合、病気休暇の制度がないと影響を与えてしまう可能性もあります。

そもそもボーナスの支払い自体、会社が法律的に義務付けられているものではなく、ボーナスの額も支給するかしないかも会社が自由に決めることができます。

さらに病気休暇も法定外休暇なので、必ず与えなければならないという義務はありません。

したがって病気休暇がボーナスに影響するのかしないのかは、会社次第。そのことは就業規則にあらかじめ書いておく必要があります。

しかし、病気休暇がボーナスの査定などに影響があれば、通常の欠勤と何も変わりはないので病気休暇を導入している意味がありません。

実際、病気休暇を導入している企業では、病気休暇を取得したからといってボーナスの査定に影響を与えない企業がほとんどです。

病気休暇のルール

病気休暇のルールにはどのようなことがあるのでしょうか。病気休暇は法定外休暇なので、会社が独自にルールを決めることができます。

日数や条件は就業規則による

病気休暇に限らず、法定外休暇を導入するときは就業規則に記載しなければなりません。

ただし法定外休暇は企業独自の福利厚生なので、日数や条件は会社が自由に決めることができます。

インフルエンザなど熱が下がっても感染拡大するリスクのある病気の場合、ある程度、長い日数与える方が会社にとっても良いでしょう。

診断書など証明書類の取得

医者の診断書等の証明書類を取得して、提出しなければならないかどうかは会社によって異なります。

会社側としては、二日酔いや単純な寝坊までも病気休暇として扱かうわけにはいかないので、医者の診断書が必要としている企業も多いです。

ただし、生理の場合は、医者の診断書がなくても電話連絡などで生理休暇が取得できます。

生理休暇は法定休暇であり、会社は女性社員が取得を申し入れると取得させなければなりません。

生理休暇が取得できることを知らずに、単に体調不良だと言って休む人もいます。

病気休暇の制度がない会社だと、体調不良だと言って休むと欠勤扱いにされてしまい、ボーナスの査定などへの影響が出てしまうかもしれません。

病気休暇の制度を導入する企業は、生理休暇など他の休暇との違いを明確にして、適切に休暇を取得してもらいましょう。

病気休暇の対象となる人

病気休暇の対象となる人は、会社の規定によって決めることができます。

例えば、「入社半年以上から申請可能」と対象者を限定することもできますし、勤務場所によって絞り込むこともできます。

例えば最近増えてきたリモートワーク。在宅勤務の従業員が病気休暇を申請するときは、何か特別な条件をつけることも可能です。

従業員の中で、対象者と対象外を分ける場合は、明確な基準を就業規則に記載しておかなければなりません。

病気休暇の日数

病気休暇の日数は、公務員の場合だと最大で連続して90日となっており、導入している大企業もこれに準じる会社が多いです。

しかし、日数は会社の判断で自由に決めることができます。

実際は、インフルエンザやコロナウイルスに感染した場合は、病み上がりの状態でも人にうつしてしまうリスクがあるので、ある程度まとまった日数の休暇を与えることも考慮することをおすすめします。

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まとめ

今回は、病気休暇について紹介しました病気休暇は公務員でも採用されている制度で、民間企業も全体の23%以上が導入している制度です。

会社としては従業員に休まれると業務が滞ってしまう場合もありますが、無理に働かせて他の同僚にうつしてしまうリスクや、最悪の場合労災など労働トラブルに発展してします可能性もあります。

体調不良でも休めない会社というイメージを持たれてしまうと、定着率の低下や人材採用が難しくなってしまう恐れも。また、感染が広がって社内で病気が流行ってしまうと会社にとってさらに大きな痛手となります。

大きなリスクを防ぐためにも、病気休暇を導入を検討してみてはいかがでしょうか。