振替休日や代休は労働基準法に規定されている制度ではないため、明確な期限は定められていません。よって、会社が任意に設定可能ではあります。ただし、余りに長すぎる期限はトラブルのもとであり、現実的にはいずれも1ヶ月以内とするのが望ましいでしょう。

この記事では、労務トラブル防止の観点から、振替休日と代休の期限について解説します。

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振替休日とは、代休とは

振替休日も代休も「法定休日に勤務する代わりに、別の労働日を休日とする」という仕組みであることは変わりません。そのため、混同されがちですが、両者には休日の指定タイミングの前後により、さまざまな点で違いが生じます。

振替休日と代休の違いについての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
>>振替休日と代休の違いをわかりやすく解説|法律違反リスクを回避

事前に労働日と休日を入れ替える振替休日

振替休日とは、本来休日である日に労働する場合に、事前に申請・承認を行いその休日を労働日として扱い、代わりにほかの労働日を休日に振り替えることです。

事前に休日労働に代替する休日を決めておく目的としては、法定休日の確保が挙げられます。振替休日の場合、本来休日だった日と労働日が入れ替わるだけであるため、休日労働に対する割増賃金は発生しません。

また、あくまでも「あらかじめ」休日と労働日を振り替えるものであり、休日労働が発生したあとで事後に振替休日を設定することはできません。なお、振り替える休日については、会社側が指定できます。

事後に代わりの休日を取得する代休

代休とは、休日労働が行われたあとに、別の労働日を休日として与えることです。

代休の場合、「法定休日に労働が行われた」という事実が先に来るため、休日割増賃金の支払が必要です。また、代休は労働基準法で付与が義務付けられているものではなく、「週に1日」または「4週を通じて4日」という法定休日の要件をクリアしていれば、付与する・しないは会社の任意です。

休日割増賃金の割増率は35%であり、休日労働が発生した時点で基本賃金分とあわせて135%の賃金が発生します。その後代休を取得した場合は、1日分の賃金を控除することになりますが、休日割増相当分は相殺不可であるため、基本賃金分のみ相殺して35%の休日割増賃金の支払いが残ることになります。

振替休日
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振替休日と代休の期限は?

振替休日や代休の期限については、「いつまでに付与しないといけないのか」といった明確な期限が労働基準法で明確に定められているものではありません、ただし、法解釈上のルールや実務上妥当とされている期限があります。

振替休日の期限は?

振替休日の期限そのものの規定はありませんが、時効を定めた労働基準法115条の「賃金その他の請求権」に該当するため、法解釈上は2年が時効となります。

(時効)
第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

労働基準法第115条|法令検索 e-Gov

ただし、実務上2年先の振替休日を管理するのは無理があり、期限を2年と定めていたとしても、以下の行政通達に基づいて労働基準監督署などから是正勧告を受ける可能性があります。

振り替えるべき日については、振り替えられた日以降できる限り近接した日であることが望ましい

昭和63年3月14日 基発150号

また、月(賃金支払期)をまたいで振替休日を取得すると、一旦休日労働に対する賃金を支払った上で、振替休日を取得した後に改めて控除相殺するという、手間のかかる処理が必要となります。そのため、実務上は振替休日の期限を「1ヶ月」とするのが一般的です。

代休の期限は?

代休は、振替休日と異なり休日出勤に対しての割増賃金を支払う必要があり、そもそも代休付与自体が義務ではありません。そのため、就業規則等への記載も原則不要ですが、かりに代休の取扱や期限が明記されている場合には、その定めに従うこととなります。

定めがない場合、振替休日と同様に、法解釈上は2年で時効消滅すると解されます。一方で、本来の休日の目的が「労働者の心身の疲労回復」である以上は、あまりにかけ離れた時期に取得させることは法の趣旨に反するとも言えるでしょう。

よって、代休の期限は、振替休日と同じく1ヶ月以内か、長くても3ヶ月以内とするのが望ましいと考えられます。

指定日に取得できなかった場合の再指定は可能?

振替休日や代休を指定した場合であっても、その後業務の都合で予定どおりに振替休日や代休を取得することができないことも考えられます。そのような場合は、再度振替休日や代休を指定できます。

振替休日の場合は、運用のルールを就業規則等で定めておく必要があるため、再指定する場合の取り決めについても、同様に記載しておくことをお勧めします。

また、振替休日の再指定をする際は、法定休日の確保に注意が必要です。かりに指定日に振替休日を取得できなかったことにより「週1日もしくは4週4日」の法定休日が確保できなくなった場合は、もはや振替休日とは言えず、休日労働として休日割増賃金が必要となります。

代休については、就業規則等での規定は不要ですが、トラブルを防ぐ意味でも再設定のルールも含めて、就業規則等に規定しておくことが望ましいです。

なお、振替休日であっても代休であっても、再指定を繰り返したり、あまりに先の日付を設定したりすることは避けるべきです。

目安としては、時間外労働が月60時間を超える場合に超過割増賃金(50%以上)の支払に代えて付与できる「代替休暇」の期限が、「超過した月の末日の翌日から2ヶ月」とされています。よって、これに準じて再指定期限も2ヶ月以内とするのがお勧めです。

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振替休日・代休の管理は勤怠管理システムがオススメ

振替休日や代休については、いつの勤務分の振替休日・代休をいつ取得したのか、といった管理が必要になります。また、取得漏れがないか、給与計算に正しく反映されているかといったことも管理する必要があります。

こうしたことを踏まえると、紙のタイムカードやExcelでの管理では、非常に処理が煩雑になり担当者の負担が大きくなります。

勤怠管理システムを導入すれば、従業員ごとの休日取得状況が一元管理できるため、事務負担が軽減されるだけでなく、思わぬ労務トラブル防止につながります。

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