医療従事者への新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、国会で「ワクチン休暇」という新しいワードが飛び出しました。ワクチン休暇について、さまざまなニュースを見聞きして気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、2121年3月に国会で河野大臣が発言したワクチン休暇について、現時点で分かっている内容や、企業対応の予測をわかりやすく解説しています。ぜひご参考にしてください。

ワクチン接種休暇とは?正式決定はまだ

ワクチン休暇とは、ワクチン接種の会場へ出向くために会社を休む場合や、接種後に副反応が出て会社を休みたい場合にとる休暇のこと。

まだ案が出た段階であり、法的には何も正式決定していないというのが、2021年3月時点での現状です。

河野太郎大臣が経済界へ要請

現在進められている医療従事者へのワクチン接種が終わると、次は高齢者層への接種が順次スタートします。その後、働き盛りの現役世代へのワクチン接種が始まりますが、その準備としてワクチン休暇を導入したいと河野大臣が発案したものです。

「ワクチンを接種したり接種後に副反応で発熱したりした場合の休暇制度を検討している。会社員など現役世代の接種が始まる前に経済界と相談し、安心してワクチンを接種できる環境を整えたい」というのが、河野大臣の主張です。

接種が土日に集中しないように

ワクチン接種は、原則住民登録をしている自治体で受けます。そのため、自宅から離れた場所に勤務する会社員がワクチン接種をしようとすると、土日に集中して会場が密になってしまう恐れがあります。

そこで平日に仕事を休んでもらって、分散して接種を受けてほしいという政府の意向があるようです。

ワクチン休暇は有給?無給?

それでは、会社員が「ワクチンを接種するために休む」となったら、会社としてどう扱えばいいのでしょうか。気になるのは、休んだ分が有給なのか無給なのかの判断です。

判断のポイントとして、まずはワクチン休暇が「法定休暇」「特別休暇(法定外休暇)」のどちらに分類されるかです。現段階ではハッキリしたことは決まっていませんが、論点を整理しておきましょう。

法定休暇と特別休暇の違い

法定休暇とは法律で定められた休暇のことで、企業は従業員に必ず法定休暇を与える義務があります。例えば、法定休暇の代表である年次有給休暇は、働く日数や時間によって必ず支給される有給休暇なので、休んでも働いたとみなして給料が払われます。

その他の法定休暇(生理休暇や育児休業、裁判員休暇など)は、有給にするか無給にするかを、企業の判断で決めることができます。

一方で、特別休暇(法定外休暇)とは、企業が独自に定めた休暇であり、法律上、絶対に与えなければいけない義務はありません。例えば、リフレッシュ休暇や結婚休暇などは法定外休暇であり、これらは企業独自の福利厚生として用意された休暇です。

法的な義務がない法定外休暇なので、それを有給にするのか無給にするのかは、もちろん企業が自由に決めることができます。

これらの特徴をふまえると、ワクチン休暇がどちらに分類されるのかによって、企業が準備すべき対応は変わります。

>>どのような法定休暇や特別休暇があるの?一覧まとめ

ワクチン休暇は法定?法定外?

ワクチン休暇が、法定休暇になるのか、法定外休暇になるのか、政府は明言していません。しかし、法定休暇に定めるためには、法改正が必要であり、ワクチン接種の時期には到底間に合わないのが現実です。そのため「企業独自の特別休暇で対応してほしい」と、政府は期待していると考えられます。

そこで問題になるのが、ワクチン休暇を特別休暇に加えるためには、就業規則の変更が必要という点です。就業規則の変更には労働組合や従業員の同意が必要であり、各種手続きには時間がかかります。

ワクチン接種は早ければ夏頃からスタートする可能性があるため、多くの企業では就業規則の変更は間に合わないのではないでしょうか。そのため、現実的には今ある休暇制度のうちどれかを、ワクチン休暇に充てることになり、年次有給休暇を使う企業が多いのでは…と予想しています。

ワクチン休暇、今後の予想

ここまで、ワクチン休暇について現時点で分かっている情報を整理しました。ワクチンを安心して接種できるようにという考えは、接種を希望する国民にとっては好印象なのでしょう。

しかし企業の就業規則は、思い立ってすぐ変更できるものではないため、恐らく年次有給休暇を使うことになると考えます。

そして気になるのが、ワクチン接種の付き添いで休む場合はどうなるのかです。例えば「高齢の家族がワクチンを接種するために、付き添いで会社を休まなくてはいけない」という人も多いはず。付き添いはワクチン休暇にならないとしたら、看護休暇や介護休業の利用も考えられます。

ポイントまとめ

  • ワクチン休暇は、接種当日または接種後に体調が悪くなったら休める休暇
  • 法定休暇なのか法定外休暇なのかは未定
  • 現実的には年次有給休暇を使うことになると予想